
投稿日:2022/10/5
更新日:2023/7/14
現場社員を巻き込みながら採用活動を行う「スクラム採用(※)」を実施する企業が増えてきています。
※スクラム採用:HERP社が提唱している、現場社員を巻き込むことで有効母集団の増加・内定受諾率の向上・ミスマッチの削減といった採用の質的改善を実現する採用手法
しかし、まだまだうまく実践できていない会社や、採用成果の創出まで至っていない会社も多いのではないでしょうか。
そこで株式会社HERPとLAPRAS株式会社の共催で、全3回にわたり「スクラム採用」の本質的な理解・実践を促すウェビナーを実施。
第2回目となる今回は、スクラム採用の中でも採用成果に最もつながりやすい「母集団形成」にまつわる課題や改善方法について解説しました。
「第1回 自社のスクラム採用レベルの把握とレベル別の推進手法」はこちら
目次
母集団形成の主な手法とスクラム採用実施のためのチェックポイント
再現性不要な場合の採用フェーズの考え方
母集団形成を実践するための3Step
登壇者プロフィール
LAPRAS株式会社 共同創業者 二井 雄大(以下:二井)
京都大学経済学部卒。楽天に入社し、ECコンサルティング職に従事。IoTベンチャーのQrioにて事業開発部マネージャーを経験後、株式会社scouty(現LAPRAS株式会社)を共同創業。創業以降、営業/CS/マーケティング/バックオフィスなど開発業務以外全ての領域を経験。これまでに数十社のカスタマーサクセスを手掛ける
株式会社HERP レベニューマネージャー 冨田 真吾(以下:冨田)
新卒で、株式会社ビービットに入社。デジタルサービスのUXコンサルティングに従事したのち、SaaS型の分析クラウドのインサイドセールスチームの立ち上げ、プライシング戦略の立案などに従事。HERPに参画後は、レベニューマネージャーとして100社以上の採用支援を担当しながら、最近はレベニューチームの採用・組織づくりを担当
二井:前回のウェビナー、「自社のスクラム採用レベルの把握とレベル別の推進手法」では、スクラム採用の概要やメリット、進め方を紹介させていただきました。
第2回目の今回では、採用フェーズの中でも特に「母集団形成」について、よくある課題やスクラム採用を実施する上でのポイントを解説できればと思います。
まずは前提として、現状多くの企業が行っているであろう主な母集団形成の方法と、スクラム採用を実施するための注意点についてお話していきます。
以下は採用における主な手段である、リファラル採用、SNS採用、副業経由採用、ダイレクトリクルーティング、エージェントについて、費用面と運用工数、そしてデータベース上限をまとめた表です。

リファラル採用は費用も運用工数も少なく済むものの、社員のネットワークを利用する性質上、データベースがすぐに枯渇してしまう。一方でエージェントはお金がかかる、ダイレクトリクルーティングはデータベースが多く工数もかかるので体制構築が重要といった性質がありますよね。
これらの性質をもとに、「まずはリファラル採用を行って、手が足りなくなったらエージェントを利用し、アクセルを踏む必要が出てきたらダイレクトリクルーティングを実施する」という採用戦略を考える企業が多いのではないでしょうか。この前提を踏まえて、今後スクラム採用を実施する場合にリスクを抱える企業の特徴を挙げておきます。

1.前課金NG
採用媒体など先に課金が発生するサービスを利用することが、会社的にNGという企業は少なくないのではないでしょうか。
前課金に否定的な意見を持つ企業の場合、経営陣が「採用は費用や工数をかけて実施するものである」という認識をできていないことがよくあります。 こうした場合、あらかじめメンバーの工数確保が必要なスクラム採用についても理解を得られず、導入ハードルが高い可能性があると言えるでしょう。
もしご自身の会社にこのような傾向がある場合、経営陣とのコミュニケーションや適切なアプローチが大切になってきます。初期から経営陣とともに採用計画を考えたり、現在の採用市場への理解が深い第三者を交えた会話によって理解を得る工夫をするのが有効な手段です。
2.エージェント偏重、リファラル偏重
次に、これまでエージェントに頼った採用ばかりを実施してきた、もしくはリファラル採用ばかりをやってきていたという企業への注意点です。
まずエージェント偏重の傾向がある場合、社員が自社の魅力を言語化して伝えたり、候補者を口説くスキルやノウハウの蓄積が至らないケースがあります。
これらの傾向がある企業では、候補者を口説くための材料の言語化を進めたり、トークスクリプトを用意したりといった、これまで口頭のみでやってきたことをテキストに落とし込んでいくプロセスが重要です。
一方のリファラル偏重ですが、リファラル採用は金銭面と工数のコストパフォーマンスが良すぎてしまい、いざ他の採用手法に取り組む際に、財務や工数の見積もりが甘くなり、適切なリソースがかけられないケースがよくあります。
3.RPOに丸投げ
最後はRPOに採用業務を丸投げしてしていて、採用戦略のディレクションができていなかったり、各フェーズで何が行われているかを握れていなかったりする企業の場合です。
もちろんRPOを使うこと自体に問題はなく、RPOを交えてスクラム採用を行うことは十分可能です。しかし採用を丸投げにしてしまっていると、候補者とのコミュニケーションがうまくいかず、アトラクト力が弱まるケースがよくあります。
そのためRPOを活用する場合でも、採用戦略のディレクションや具体的な実施内容を、採用チームのメンバーがしっかり理解しておくことが大切です。
では次に、母集団形成改善の考え方のポイントについて、こちらもよくある例を踏まえてお話できればと思います。
多くの企業では、「採用戦略を現状分析から考える」という傾向があるのではないでしょうか。特にメジャーなのは「歩留まり分析」で、書類選考やカジュアル面談、選考への移行数、面接数、内定受諾などの遷移数をウォッチしながらPDCAを回そうとすることは多いですよね。
その上で問いたいのは、「果たしてこのフレームワークは全員が使うべきなのか」ということです。

というのも、歩留まりの分析が有効なケースは以下の場合に限られているからです。
<歩留まりの分析が有効なケース>
・当該ポジションで既に採用活動を実施していて、これまでの数値からボトルネック探しができる場合
・採用人数が多く、採用可能性予測がアクションに対して重要である場合
・当該ポジションの採用が複数枠存在し、アクションの再現可能性が高い場合
・分析結果をアクションに反映できる土壌がある場合
例えばポジションの採用数が少なく、1人決まったら募集を閉じるような場合は、数値分析をしてもあまり効果が見込めませんよね。このように、中途採用の世界では再現性の必要がないケースは少なくありません。
再現性の必要がないケースにおいては、採用フェーズを「立ち上げ期間」と「オペレーション改善期間」の2つで考えることが大切です。
立ち上げ期間の主なアクションは、「どうすれば採用ができそうか」を考える仮説設定と、そこへの振り返りを行うことです。
具体的には、要件定義を行った上で「その人がなぜ入社してくれるのか」というアトラクトストーリーを作成。そこに対して、カジュアル面談やスカウトを1、2件試した上での定性的な分析を行うイメージですね。
特におすすめなのは、カジュアル面談が実施できた方に「カジュアル面談を受けてくれた理由」「興味を持てた話題」「興味が持てなかった部分」をヒアリングし、あらかじめ立てた仮説とズレていないかどうか、なぜそうなったのかを採用チームでシェアすることです。
こうして採用活動の質を向上させる取り組みを、およそ1~2カ月で進めていきます。 そして、立ち上げ期間を経た後はオペレーション改善期間に移ります。ここではオペレーションの効率化やKPIのセット、定量分析などを行っていきます。
体感値としては初手からKPIを定め、定量的な分析を進めようとする企業が多い印象がありますが、実際には定性の振り返りによって感覚の精度を上げることが大事だと考えています。

冨田:たしかに、まずはフローを整理して、歩留まりを出して、KPIを設定して……といったことをついやりたくなってしまいますよね。数字で語ると安心してしまうといいますか。
ただ、経営への説明にあたり初期フェーズで採用計画を立てる必要がある場合も少なくありません。その場合は過去の採用実績をもとに、求人をオープンしてから決定するまでのリードタイムを見てみることがおすすめです。
「いつからいつまでに何人採用したい」という計画が、過去の経験からそもそも可能なのか不可能なのかを見極めるのにも役立ちますし、適切なリードタイムがある程度見えてくると、施策を計画的に打ちやすくなりますから。
二井:採用のリードタイムはポジションよりも会社単位で一定になりやすい傾向はあるので、有効な手段だと思いますね。
最後に説明するのは、「母集団形成を実践するための3step」について。 ここでのポイントは3つあります。1つ目は求人票の見直し、2つ目はアトラクトストーリーの作成、3つ目がPDCAサイクルの構築です。
1.求人票の見直し

求人票についてのよくある課題といえば、現場と採用担当で採用したい人のイメージに乖離があるケースです。その他にも、条件に対して求めるスキルが高すぎるケースなどもありますよね。 もちろん最初はどんなポジションであっても認識のズレが発生するのは当然で、それをどこまですり合わせられるかがポイントになります。
このフェーズにおけるチェックポイントは、採用担当側で書類選考を行う場合に、現場と同じ判断が70-90%程度の割合でできるかどうかということ。これを実現するためには、採用したい人材の必須要件と歓迎条件を精査・具体化していくことが大切です。
理想的なのは、求人票に書かれた要件を満たしていれば100%次のフェーズに通すといった精度で言語化できることですね。ただ、実際には例えば必須要件がゆるいように見えて、隠れた要件が後から出てくるケースなどはよくあります。
人事としては現場とコミュニケーションを重ねるのももちろんですが、事業のこれからの成長ビジョンや募集背景のコンテクストを深く理解しておくと、細かいニュアンスの部分が把握できるようになってくると思います。
2.アトラクトストーリー作成

求人票が固まったら、次に行うのがアトラクトストーリーの作成です。採用したい人材に刺さりそうなストーリーを複数構築するわけですが、スキルと事業、チームの3つの項目でつくってみるのがおすすめです。
加えて直近の入社メンバーに入社の決め手や魅力に感じたポイントをヒアリングしてみたり、採用面接の際にどんな会社を受けていて、どこで迷っているかを聞いてみるのも有効です。 これらで得たことを記事にしてみたり、メールテンプレートに活用してみたりといった展開もいいですね。
実際、アトラクトストーリーが固まれば固まるほど内定受諾率が上がっていく傾向がありますし、カジュアル面談からの選考移行率も確実に向上します。
3.PDCAサイクルの構築

そして最後はPDCAサイクルの構築です。
求人票の見直しやアトラクトストーリーの作成を行った後に、日々の採用活動、特にカジュアル面談を通じて、「どんな人材が採用したくて、なぜその人が採用できるのか」の解像度を上げていくことが重要です。
具体的には、選考基準のチェックリスト化が進んでいって、日々その基準の見直しが行われるようなプロセスができたり、チーム内で候補者に対する判断が分かれた際に認識をすり合わせていく会話を重ねたりする。あとは選考辞退・内定辞退が発生した際に臆せずヒアリングを行い、原因究明をすることも大切ですね。
加えて、一つの基準としてカジュアル面談からの選考移行率が25%を下回っていたり、内定受諾率が70%を切っている場合には課題分析が欠かせません。
こうしたアクションをサイクル化することができれば、徐々に採用可能性が上がっていくはずです。
「スクラム採用を完全理解する全3回」のウェビナーのうち、第2回目となる今回は母集団形成について解説をしました。
採用活動においては、少ないサンプル数の中からしっかりと示唆を出して、採用のアクション戦略の精度を高め、重ねていくというプロセスが重要です。
これを、採用担当者だけではなく、現場を巻き込んで採用チームとして改善することができれば、採用活動がうまくいきやすくなるはずです。
次回、第3回目では「スクラム採用でアトラクト力とジャッジ精度を上げる6の方法」について解説していきます。ぜひ楽しみにしてくださいね。
第3回 事例で学ぶ。スクラム採用でアトラクト力とジャッジ精度を上げる6の方法
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