
投稿日:2025/4/18
更新日:2025/4/18
「エンジニア採用のバイブル」とも言える『作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のための ITエンジニアリングの基本がわかる本』の著者、WHOM取締役・COOの中島佑悟さんが、新著『ITエンジニア採用のための戦略・ノウハウがわかる本 計画・募集活動から選考・クロージングまで』を2025年2月に出版。
採用倍率13倍を超えるとも言われる現在のITエンジニア採用市場において、本書では競争を勝ち抜くための戦略的な採用業務を、計画からクロージングまでの全プロセスにわたって解説しています。
先日開催されたHERPユーザーコミュニティが運営するオンラインイベント、「エンジニア採用ブートキャンプ」第7回では、中島さんをゲストにお招きし、新著の概要と、すぐに実践できる採用戦略の貴重なエッセンスを共有いただきました。
勉強会当日の様子を、参加者の反応も交えながらお届けします!
WHOM取締役・COO 中島佑悟
ベンチャー企業にてビジネス部門の立ち上げ等を経験後、エンジニア採用サービスを展開する LAPRAS株式会社にてセールス・マーケティング責任者を務める。 2020年に株式会社 de3を設立し、上場企業からスタートアップまで幅広く採用支援を行い、 2023年からは株式会社 WHOMの取締役 COOとしてRPOサービスの提供に従事している。著書に「作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のための ITエンジニアリングの基本がわかる本」「データ分析営業 仮説×データで売上を効率的に上げよ」
プロから選べる採用支援サービス https://whom-hr.co.jp/
モデレーター 株式会社Avenirl ・代表取締役CEO 西和田亜由美
新卒で航空会社に客室乗務員として入社。その後、スタートアップ企業でエンジニアリング組織の採用・組織開発・技術広報を推進するDevHRマネージャーを経験したのち、 2022年4月に株式会社ユーザベースに入社。社長直下で、組織開発プロジェクトの立ち上げと推進に参画。また、技術広報も担当。その後 2024年に独立し、複数スタートアップ企業の採用・広報・コミュニティマネジメント等を支援している。HERPユーザーコミュニティでは、コミュニティ PRを担当
ITエンジニアの採用競争は激化の一途をたどり、採用倍率は驚異の13倍を超えるというデータも出ています。このような厳しい状況下で、採用担当者には競争を勝ち抜くための戦略的視点と、エンジニアリングに関する基礎知識が不可欠です。
前著『作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のための ITエンジニアリングの基本がわかる本』ではエンジニア用語や基礎知識の習得に焦点を当てましたが、本書では「13倍という高倍率の競争をいかに攻略し、勝利を掴むか」という実践的なテーマを掘り下げています。中でも、書籍の中では主に以下の3つのことをお伝えしています。
『競争』に向き合わなければならない(1章)
採用競争力を高めるには「競争環境を把握し対応する力」が必要(2章)
採用業務を広く構造的に捉え直そう(3章)
1つ目の「『競争』に向き合わなければならない」という点から解説できればと思います。まずは以下のグラフを見てください。
これはITエンジニアの採用倍率の推移を表したグラフで、昨年(2024年)の12月ごろに採用倍率が13倍を超えたことがわかります。
ただ、採用活動をしていると、真正面から「13倍」という数字を受け止められないことがあると思うんですよね。例えば選考だけを担当しているエンジニアから見たら、「待っているだけで良い人から応募がくるじゃん」とか、「スカウトの返信やカジュアル面談はできてるから、まあまあいけそうだね」と、途中成果で勘違いしてしまうようなことはよくあります。
しかし実際にはテックリードやEMといった人気職の倍率や、20代後半~30代前半の若手経験者の倍率はさらに高い状況です。だからこそ、実際には20倍や100倍にもなり得る倍率を真正面から受け入れて、そこに向き合う必要があるわけです。
「『競争』に向き合う」とは、「採用ができない=競争に負けた」という捉え方をするということです。採用がうまくいかなかったとき、「運が悪かった」「タイミングが悪かった」「辞退されたけど相性がイマイチだったから結果的に良かったかも」と考えているようでは、競争に向き合えているとは言えません。「負け」をきちんと受け止めることが大切なのです。皆さんは、競争に向き合えているでしょうか?
<当日の参加者の回答例(一部抜粋)>
‐はいとは言い切れないです、、、
‐(((向き合えてない)))
‐辞退された際に、相性が悪かったから入っても合わなかったかも、という話をしていました…
‐大手に負けるのは仕方ないよなぁ は向き合えていないですよね。。。
『競争』に向き合うのが大前提で、その次に採用競争力を高める必要があります。僕はここでは「競争環境を把握して、そこに対応する」ことが必要だと考えています。そこで質問ですが、皆さんは「採用競争力」はどういった方程式で表されると考えていますか?
<当日の参加者の回答例(一部抜粋)>
‐認知×認識×差別化
‐企業の魅力×人事の力×社員の協力度
‐母集団×惹きつけ
‐(魅力×認知度×ターゲティング )÷競合環境 ???
‐魅力付け×意思決定のスピード×クロージングフォローアップ
ここで考えていただいたのは、採用競争力を高めるとなった際に、各々が取り得る具体的なアクションや方針です。もちろんさまざまなパターンが考えられると思いますが、僕は「採用競争力」は以下の方程式で表せると考えています。
採用競争力 = 競争環境を把握する力 ✕ 競争環境に対応する力
「競争環境を把握する力」とは、「社内ばかり見ていないで、社外や市況感をちゃんと見て把握しよう」ということ。例えばテックリードを採用したいとなったら、テックリードがどれほどの採用倍率で、自社とどこが競合していて…といった、自分たちが置かれている競争環境をしっかり理解しようという話です。
それから「競争環境に対応する力」とは、競争環境を理解した上で、「市況感的には年収800万円になっているからうちも見直そう」とか、「競合はイベントもやって、カンファレンスのスポンサーもやってるから、うちも負けないようにスポンサーを出そう」というふうに、把握した競争環境に対応できるかどうか。「あきらめずにしんどいこともやっていくぞ」という対応力です。
例えばテックリードの採用を進める際、仮に自社の報酬テーブルに対して高めの年収600万円を提示したとしても、採用競合が800万円を出していたら、求職者は振り向いてくれませんよね。
自社が提示する報酬や業務内容、キャリアプランは絶対的なものではなく、相対的に決まるもの。テックリードというポジションを開けたとき、それを世の中に出してどう受け入れられるのかを把握していないと、ここの良し悪しの判断が付かないのです。
つまり、自社の魅力がどこなのかや、採用活動として何をしたらいいのかは、すべて自社ではなく、外に目を向けないと決められません。意思決定の拠り所を、「競合がこうしてるから私たちもこうしよう」というふうに変えていく必要があるのです。
加えてより具体的な話をすると、エンジニア採用では採用プロセスも変わってきています。
競争があまり激しくない場合は、「認知獲得・応募獲得→選考→内定打診・入社獲得」というシンプルなプロセスを踏めばいいのですが、エンジニア採用の場合は転職潜在層の段階から認知してもらったり、ファン化・ナーチャリングといった手法で接点を複数回取ったり、比較検討の際にはアプローチをして、内定辞退防止のために人事面談を組んで…など、採用プロセスを長期視点かつ多くの接点で考えなければなりません。
採用活動としても、媒体の選定や見直し、ツールをよりうまく使うといった工夫は当然として、その前段の業務内容や自社の魅力の言語化をし直そうという企業も増えていますし、さらに「今期の採用予算は媒体で200万だったけど、競合はもっと使っているから500万に増やそう」「採用体制が弱いから人的リソース増やそう」というように、どんどん前提に戻って改善している企業も出てきています。
また、特に採用力が高いテック企業の中には、社内の組織構造を変えて採用チームをプロダクトチーム紐づけにしたり、代表直下紐づけにしたりしているところもあります。
こんなふうに、採用競合企業が採用プロセスの改善や採用活動の根本改善、組織改善に対応しているのであれば、当然ながら自社もそれに合わせて社内を変えていく必要があります。採用競争力を高めるためには、とにかく外の動きを把握してそれを踏まえ、変えづらいことや難しいことであっても社内を変えていくことが大切なのです。
ここからは、競争に目を向け、社外の情報を積極的に取り入れ、自社を変革していく必要性に迫られた時、具体的に何をすべきか。書籍で解説しているポイントを簡単に紹介します。
まずは皆さんに問いたいのですが、皆さんだったら採用業務をどのように分解して改善しようと考えますか?
<当日の参加者の回答例(一部抜粋)>
‐集客、アトラクト/ジャッジ、クロージング
‐目的、対象、基準、方法
書籍では、横軸に「採用プロセス」、縦軸に「社内プロセス」の要素をマッピングし、以下のように採用業務を分解して、実際の募集活動や選考活動といった「採用実務」、それを円滑に進めるための採用計画やオペレーション整理といった「実務のマネジメント」、採用体制や社内環境の整備といった「人・環境のマネジメント」という、3つのグループに分類しました。
この3つの関係性は構造的に表すことができ、「採用実務」が建物だとすれば、建物を支える柱が「実務のマネジメント」。さらにその基礎を支える大きな地盤の部分が「人・環境のマネジメント」といった関係性になります。
先ほどの採用業務の分解イメージをここに当てはめると、以下のようになります。
先ほどお伝えした通り、この3つのグループの9つの取り組みは、競争の激しい現代において、他社が実践している限り、避けて通ることはできません。「自社には採用体制を変革する余力がない」と感じる人もいるかもしれませんが、採用に成功している企業は、この領域まで踏み込んで対策を講じています。
冒頭でお伝えした「『競争』に向き合う」というメッセージを真摯に受け止めるのであれば、困難を伴っても、これらの課題に真剣に取り組む必要があるということを改めてお伝えしたいと思います。
ここからは9つの取り組みについて、書籍から抜粋して紹介します。
・採用実務:採用の企画
採用リクエストを受け取った際、安易に受け入れるのではなく、依頼と承認のプロセスを踏んで、実現可能性を慎重に検討することが重要です。
<実現可能性の検討項目>
‐求める人材が市場に十分存在するか
‐求める人材にとって、自社の魅力が競合他社と比較して十分であるか
‐採用活動に必要な時間、予算、人員、スキルが社内に確保されているか
また、いきなり求人票を作り始めるのではなく、関係者間での認識のずれを防ぐために、採用計画の初期段階で採用要件をマスターデータとして作成し、このマスターデータを基に、求人票、エージェント向け資料、選考評価項目などを一貫性を持って作成することが重要です。
・採用実務:募集活動
募集活動においては、スカウトのパーソナライズやエージェントの把握、ジャーニーマップを用いた募集活動全体設計が欠かせません。書籍の中では具体的な施策選定の方法を広く紹介しています。
・採用実務:選考活動
選考活動では「採用すべき人を採用する」ための判断軸を設けることや、選考体験の改善が必須となります。書籍では評価項目や手法、採点ルールなどの設計方法や、評価のための参考サービスなどの紹介、選考期間改善のポイントも詳しく解説しています。
・実務のマネジメント:組織ポテンシャルへの働きかけ
採用ポテンシャルとは「採用活動に使える資源」のことを指します。これを採用計画の前段階の、事業計画や開発計画、人員計画に働きかけ、自分たちで採用活動に使えるお金、知名度、工数といった資源を調達することが重要です。
例えば採用予算の交渉の際、そもそも採用コストが事業計画内で細かく分解されていなければ、それを分解するところから始める必要があります。その上で、以下の点を踏まえた交渉を行いましょう。
採用に関するコスト(予算)を見直してもらう
採用するポジションの人件費を見直してもらう
ストックオプションや資金調達に関する事柄を明確にしてもらう
・実務のマネジメント:採用計画の立案と振り返り
採用計画の立案と振り返りにおいては、「ファネル」と「ディメンション」という考え方を導入するのがおすすめです。これらを用いることで、より詳細な分析と戦略立案が可能になります。
加えて、採用活動を進める上ではより前提にさかのぼってPDCAを回していくことも大切です。具体的なポイントは書籍で詳しく紹介しています。
・実務のマネジメント:オペレーションマネジメント
オペレーションマネジメントにおいては、うまくいかなかった際にPDCAがきちんと回るような業務フローを設計しましょう。また、ミーティングやツール、データのマネジメントを行うことが、採用チームを円滑に運営していく上では重要です。
・実務のマネジメント:採用市場、競合、求職者の調査・分析
競争環境を把握する上では社外に目を向けることが大切だとお伝えしましたが、具体的に見るべき要素や調査方法については書籍で解説しているので、ぜひ参考にしていただきたいです。
・人・環境のマネジメント:採用体制の構築
採用体制の構築においては、採用責任者を明確にすることが重要です。ハイヤリングマネージャーを立てるというやり方も一つの方法です。
また、採用担当者の育成も欠かせません。書籍では育成のポイントも解説しています。
・人・環境のマネジメント:社内環境の改善
社内環境の改善においては、社内を動かしていくためにもポリシーの策定や組織図の見直しなどを検討しましょう。
ここまで9つの取り組みについて幅広く紹介しました。各項目についてはすべて書籍内で詳しく解説しています。
本書を通じて皆さんに最も伝えたいメッセージは、「採用のプロになろう」ということです。
エンジニア採用は、高度で複雑な業務を多岐にわたってこなす必要があります。例えばエージェントを効果的に活用したり、社内の魅力を最大限に引き出すための働きかけなど、さまざまな施策が求められます。これらの業務には、社内を動かす難しさや怖さが伴うものです。
それでもこれらの困難を受け入れ乗り越えて、「真の採用プロ」として成長しなければ、エンジニア採用の成功は難しいでしょう。本書が、皆様が「採用のプロ」としてエンジニア採用を成功させるための助けになることを願っています。

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