
投稿日:2025/12/4
更新日:2025/12/19
HERPユーザーコミュニティが開催するHR勉強会。今回はスピーカーに株式会社HERPの戸部、MNTSQ株式会社の加賀谷さん、HEROZ株式会社の中村さんをお迎えし、「攻めの母集団形成LT大会 〜明日から使えるチップス共有〜」というテーマで、それぞれが得意とする領域での実践的なノウハウをライトニングトーク(LT)形式で共有していただきました。
採用活動において、多くの企業が直面する「母集団形成」の壁。有効な候補者と出会うために、日々試行錯誤を重ねている各社採用担当者である参加者からの質問も交えながら、熱気あふれるセッションが繰り広げられました。勉強会当日の様子をお届けします!
株式会社HERP 採用担当 戸部 祐理(@yuuritobe)
アパレル企業で取締役として小売企業経営に携わった後、HRに転身。アパレル×ITスタートアップでHR、デジタルマーケティング支援のデジタリフトでHR/PRを経験し、2024年11月HERPに参画。
MNTSQ株式会社 Talent Acquisition 加賀谷 優希 (@yuukikagaya)
新卒で大手生命保険会社に入社。日本国内で無形商材営業に5年従事したのち、2015年2月にベトナムに本社を構える転職エージェントに入社、同国に移住。プレイングマネージャーとしてCA、RA、20名のメンバーマネジメント、新規マーケット開拓に従事。2019年8月に帰国、9月にWealthPark株式会社にダイレクトリクルーティングを立ち上げる採用担当として参画。在籍5年間の後半はHRマネジャーとPRを兼任。2024年10月にMNTSQ株式会社へ入社。主にエンジニア採用および採用広報を担当。
HEROZ株式会社 グループ採用マネージャー 中村 拓馬 (@BLOOMWORKS_RD)
2024年4月にHEROZに中途入社。M&Aしたグループ会社4社の採用機能立ち上げも含めて、AI系コンサルタント・エンジニア採用を中心に採用活動を行う。AI活用を進めて年間採用の8割をスカウトやリファラル採用が占める体制を作り、そのノウハウをサービス化したRPO事業も兼任。シード〜上場フェーズのベンチャー複数社でビジネスサイド全般を経験してきたキャリアです。
モデレーター トリコ株式会社 採用担当 角岡 みずき
大学卒業後P&Gグループ会社に入社をし東京の百貨店・GMSにて化粧品販売に従事。その後マーケティング会社にて人事・広報、IPO準備を経験したのち株式会社ユーザベースにてコーポレートやセールス組織の採用及び技術広報を担当。2023年12月よりポーラ・オルビスホールディングスのグループ会社であるトリコ株式会社に入社し、人事担当者として採用・組織開発・広報を担当。

トップバッターは、私、HERPの戸部です。「エージェント採用」をテーマにお話しさせていただきます。
私は、エージェント採用を「受け身」「待ち」のチャネルではなく、集客力に唯一レバレッジをかけられる「攻め」のチャネルだと捉えています。
特に多様性の確保やハイレイヤーへのアクセスにおいて、エージェントは独自の価値を持ちます。重要なのは、手段を固定せず、ニーズに合わせて柔軟にデザインする力です。
では、どうすればエージェント採用で成果を出せるのか。私が最も重要視しているのは「エージェントとのパートナー関係」です。
一言でいうと、「(エージェントの)推しになれ」ということです。エージェント担当者に「この会社を推したい」と強く思ってもらうことが鍵です。
これは単なる精神論ではなく、地道なアクションの積み重ねによって実現できると私は考えており、成果を出すための3つの柱がこちらです。
認知の設計:(採用企業として)自社を深く理解してもらい、候補者を紹介する際に「真っ先に思い出してもらう(脳内SEOで上位を取る)」ための仕掛け。
運用の標準化:採用担当者もエージェントも多忙。お互いの工数を削減し、質の高い情報交換に時間を使うため、業務を「型化」する。
関係構築と共闘:エージェントのタイプ(大手/ブティック型)や担当者のタイプ(共闘者型/応援団型)に合わせた、最適なコミュニケーションで「一対一の信頼関係」を築く。

私が実践する具体的なTipsも5つ紹介します。
1. 打ち合わせアジェンダの型:採用担当対エージェント担当ではなく、人対人の関係を作り、伝えたいことを伝えられるよう、アジェンダの型を作っています。
2. メルマガ活用:打ち合わせ時に「BCCでメルマガを送るので読んでください」とお伝えしています。思い出してもらうきっかけとして定期的に接点を持ちます。

3. マスクレジュメの社内確認の型:採用担当者だけで「面接確約」を出せない場合、現場(配属先)に素早く確認できるフローを設計しています。
4. 見送り理由の型:候補者への配慮はしつつも、推薦の精度を上げてもらうため「率直な理由」を伝えます。リスペクトと感謝を忘れません。

5. 最終選考前ヒアリングの型:候補者の本音や懸念点をエージェント経由で聞くためのヒアリング項目を準備。ただし、「候補者の発言」と「エージェントの意見」は切り分けて聞くようにしています。
エージェント採用は"攻め"の採用です。集客力にレバレッジを効かせる方法として必要なときに活用してみてください!

続いて、MNTSQ株式会社の加賀谷より「ダイレクト・リクルーティング(DR)」についてのLTです。
今日私がお話しするのは、斬新なことではなく、皆さんが知っているシンプルなことを"ちゃんとやる"だけで成果が出る、という話です。DR「あるある」な悩みと、私が実践している具体的な解決策をお伝えします。
解決策:「スカウトを送る」という曖昧な予定ではなく、「タスクレベルに分解してカレンダーをブロックする」ことを私は徹底しています。
(例)「ターゲットリスト作成(30分)」「文面作やるだけ」
また、カレンダーに予定を入れておくことは「なぜできなかったのか」を可視化し、建設的に議論するためのファクトにもなると私は思っています

解決策:声をかけ続けるだけでなく、週30分でもいいから「もくもく会」を開き、一緒にやるようにしています。
現場のメンバーは、送らないのではなく送れない理由がある、送れない理由は「忙しい」だけでなく、「やり方が分からない」「送っても返信がなく心が折れた」など様々な理由があると考えます。
もくもく会は、一緒に作業するだけでなく、「最近困ってることは?」「この文面で返信来たよ」といったノウハウや悩みを共有する場にもなり、モチベーション維持にもつながっています。
解決策:「自分が言うことにこだわらない」ことです。
経営者が信頼している著名人、ベンチマークしている企業、日経新聞などのファクト(事実)を持ってきて、「◯◯さんがこう言っていました」と第三者の言葉として伝えます。
もちろん最終的には自分の言葉で届けられるHRになるのが理想です、入口としては「自分だけが言っているんじゃない」という見せ方や伝え方が有効だと私は考えています。
「どうすればできるか」「シンプルに考える」「楽しくやる」を取り入れることで、DRを継続していくことができます!

最後のLTは、HEROZ株式会社 中村による「リファラル採用」です。「ヤサイ アブラ マシマシ」のように、ノウハウを凝縮してお話しします。
私が入社した当初、当社のリファラル採用は「制度はあるが機能していない」状態だったと言います。そこから、わずか1年で応募数を劇的に改善させました。
いきなり施策を打つのではなく、まず「なぜリファラルが起きていないのか」の現状把握から着手しました。その中でもまず、「リファラル発生のジャーニー分析」を行い、候補者が応募に至るまでのプロセスの「どこで止まっているか」を調査しました。

また、エンゲージメントが高い上位2割の社員に対し、「なぜリファラルをしてくれないのか」を深掘りしました。 その結果、「マネージャー層に採用方針が伝わっていない」「会食制度が使いにくい」「社員が他の部署の募集要件を知らない」といった課題が明確になりました。
課題が明確になれば、あとはその障害を取り除くだけです。特に効果的だった2つの施策をご紹介します。
【施策1】取締役を巻き込んだ「大号令」
リファラルの重要性をトップから発信してもらうため、取締役の時間を確保しました。「なぜやるのか(Why)」を丁寧に説明し、多忙な役員が迷わないよう、カンペ(発言原稿)を私が用意しました。
全社会議などでトップから発信してもらうことで、現場のマネージャー層の意識を大きく変えることに成功しました。
【施策2】「ゆるい」会食制度の導入
従来の会食制度は「マネージャー同席必須」「金額が高い」など、ハードルの高いものでした。これを私は「社員のみでOK」「金額は抑えめ」「応募がなくてもOK」というゆるい制度に変更しました。
会食は口説く場ではなく、相手を知る場です。「エージェントフィーと比較すれば、100回会食して1人決まってもペイする」という性善説に基づいた運用に切り替え、利用のハードルを劇的に下げました。

LT後には、参加者からのリアルな質問が寄せられ、3名の登壇者に回答いただきました。
Q. ビジネス職(特にエンタープライズ向け)の母集団形成の工夫は?
戸部:エージェントに「何がボトルネックか」をヒアリングし、訴求内容を改善しました。例えば「HR Tech」という会社説明が魅力として捉えられないケースがあることがわかったので、代わりにキャリアパスの展開事例が豊富にある企業だと伝える記事を作成し、求人票に貼っています。
加賀谷さん:エンタープライズ企業在籍者は平日の面接が難しいため、求職者の方の選択肢を増やすために、「土日選考会」を企画しています。
中村さん:「3C分析」を徹底しています。競合他社と比較した際の自社のポジショニング(なぜ自社を選ぶのか)を明確にし、選考途中でも「他にどこを受けているか」を聞き、比較しながらアトラクトしています。
Q. 新卒採用の母集団形成の工夫は?
戸部:(HERP社では)知名度で大手と戦えないため、長期インターンや1dayインターン経由での採用に注力しています。優秀な社員と働く経験自体が、強力なアトラクトの場になっています。
中村さん:SEO対策です。「新卒 AI エンジニアになるには」といった学生が検索しそうなキーワードで自社ブログがヒットするようにし、インバウンドでの流入を設計しています。
Q. エンジニアの母集団形成の工夫は?
中村さん:現場との「目線合わせ」。採用媒体の検索画面を一緒に見ながら、「この人はリアルに採用できそうか」「育成対象としてどこまで許容できるか」のペルソナを具体的にすり合わせています。
加賀谷さん:「楽しく出会う」ことを重視。必ずしも初期は自社の事業に興味がなくても、まずは出会いの場を作り、そこから「MNTSQって面白そう」と思ってもらう順番もあると思っています。
今回のLT大会では、エージェント、DR、リファラルという母集団形成の主要チャネルそれぞれについて、すぐにでも実践できる具体的なTipsが惜しみなく共有されました。
3名の登壇者に共通していたのは、「受け身」ではなく「攻め」の姿勢で、採用を「デザイン」している点です。パートナー(エージェント、現場、経営層)をいかに巻き込み、障害を取り除き、継続できる仕組みを作るか。そのための地道で泥臭いながらも、本質的なアプローチを学ぶことができました。
HERPユーザーコミュニティでは、今後もこうした採用担当者にとって有益な情報交換や交流の場を提供していきます。

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複数の求人媒体からの応募情報の自動取り込み、SlackやChatworkとの連携による現場メンバーへのスピーディな情報共有。