HERP Lab


イベントレポート


年間120本のnote発信を実現するカミナシに聞く、現場の巻き込み方と記事品質の高め方

投稿日:2023/5/29

更新日:2023/7/4

年間120本のnote発信を実現するカミナシに聞く、現場の巻き込み方と記事品質の高め方

登壇者プロフィール

株式会社カミナシ 広報 PR
宮地 正恵

BtoB企業を中心に、ベンチャーでの広報の立ち上げを複数社経験。広報歴通算13年。
カミナシのミッションに強く共感し、2020年6月より参画。一人広報として、広報戦略からメディアリレーションのほか、事例取材、noteでの発信など、プロダクト、コーポレートの両面から広報を立ち上げる。現在はコーポレート、プロダクト広報をメインで担当。

株式会社HERP
冨田 真吾

新卒で、株式会社ビービットに入社。デジタルサービスのUXコンサルティングに従事したのち、SaaS型の分析クラウドのインサイドセールスチームの立ち上げ、プライシング戦略の立案などに従事。HERPに参画後はレベニューマネージャーとしてビジネス組織の立ち上げをしながら、100社以上の採用支援を担当。ビジネスチームの採用・組織づくりも担っている。

note株式会社 法人マーケティングチームリーダー
高越 温子

2015年に株式会社リクルートキャリアへ入社。人材紹介営業、新サービスの立ち上げに従事した後、フリーランスとして独立。2020年3月にnote株式会社へ入社。法人マーケティングチームのリーダーとして、法人向けサービス「note pro」を中心としたマーケティング全般に関わる。

イベント開催日時:2023年4月25日(火) オンラインにて実施

冨田:本日は「採用広報での現場の巻き込み」をテーマにカミナシの宮地さんにお話をお伺いしていきます。採用や広報チームでnoteを書いて回すのは大変だし、それだけでは求職者さんへ届かないので、現場の人や経営者に書いてほしいけど、それをどんな風に実現するのかをお伝えできたらと思います。

カミナシさんの採用について

採用規模とエントリーの内訳

冨田:現在の採用規模と採用職種をお聞きしてもいいですか。

宮地:年間80名ほどの採用を目指していて、特にプロダクト職(エンジニアやPdM、デザイナー)に力を入れています。

冨田:現在の倍の規模を目指しているんですね。発信もすごい力を入れていらっしゃいますよね。

宮地:そうですね。最近ではプロダクトチームも発信に力を入れてくれていて、自発的に連載企画を始めていて、ありがたい状況です。

冨田:相当量の発信をおこなっているカミナシさんだと、エントリーの内訳ってどんなものなのでしょうか?

宮地:現在はエージェントさんと直接応募、リファラルが1/3ずつくらいですね。noteで発信していると直接応募が多いんじゃないですか?と言われるんですが、実はそうでもなくて…。

冨田:カミナシさんが1/3も直接応募を実現されているので、参加者さんが夢を持っちゃうかもしれないのであえてお伝えするんですが、発信は直接応募を増やすために行うものではありません。直接応募が増えるのはだいぶ先の話なので。

宮地:本当にそう思いますね。元々カミナシも直接応募を増やしたいわけではなくて、説明コストを下げるのがメインの目的だったので、直接応募は特にKPIにしていませんでした。

冨田:説明コストを下げる目的ってすごく進めやすいですよね。スカウトを送るときに一緒に送る記事とか、面談や面接に参加してもらう直前に読んでおいてもらう記事とかは、伝える内容もかなり絞れますし、ターゲットが明確で、良い効果を発揮しやすいと思います。

採用体制とKPI

冨田:採用チームの体制や採用広報に関わっている方を教えてもらってもいいでしょうか。

宮地:採用チームは職種(技術、ビジネス、ハイレイヤーとかマネージャー兼務)で各1名ずつです。今は私が事業広報をおこない、採用広報は採用チームに任せて、時折支援したり、コラボレーションしています。

冨田:採用広報の話をすると、KGIやKPIは必ず挙がるテーマだと思いますが、noteに関わる目標は設定していますか。

宮地:え?と思われるかもしれないのですが、実はKPIをほぼ置いていません。立ち上げ当時はまずは発信を定着させることを目的に、週一本公開するといったようなアクション指標を設けていました。途中から「スキ50以上の記事を月に一本出す」など緩いKPIでやってきました。

採用マーケ視点なら、公開した記事から「◯人獲得する」とか「カジュアル面談数」からブレイクダウンしたKPIを設定するんでしょうけど、続かないと分かっていたのでそういったものにしませんでした。

冨田:続かないというのは、発信の直接効果はそこに表れないからということでしょうか。

宮地:数字を追い続けると、達成できなかったときにnoteを続ける意味があるのかってなってしまいがちなんですよね。さらにメンバーに書いてもらっている以上、そこに紐づけると、KPIに繋がるように狙って書いてとなってしまい、自由に書けなくなる可能性もあるので。

カミナシでは楽しんで書いてもらって、自分たちが採用をやっている自覚をもってもらうような感覚で、そこに動機づけができるようにしています。ある種ブランディングに近いかもしれません。

冨田:そういうことですね。高越さんはnoteの立ち上げを支援する中で、KPIは論点になりやすいのではと思うのですがいかがでしょうか?

高越:おっしゃる通りで、よくご相談をいただきます。宮地さんの言われていた「アクション指標をおくのが最初はおすすめです」と伝えています。採用広報って長く続けていけばいくほど、成果に繋がりやすいのですが、なかなか続けるのが難しいので、まずは基盤を作るのが大事だとお答えすることが多いですね。

現場の巻き込み方と記事品質の高め方

冨田:いよいよ本題に入っていきたいと思います。ここからは事前に頂いた質問に答えていただきながら、その場でもらった質問にも触れていきたいと思います。

どのような巻き込み方・役割分担をしている?

宮地:立ち上げ期は一人一人、1on1をしていきました。まだ十数名しかいなかったので、一人ずつどんな経歴かを聞いてみると、結構面白いので、そこにフォーカスして書いてもらうと良いと思います。

自分のことを書くのが苦手とかネタが無いという場合は、仲の良い社員同士で他己紹介記事を書いてもらったりとか。自分のことを書くのが苦手でも、仲の良い社員ならよく知っているし、好きだからノリノリで書いてくれるので、そういった巻き込み方を徐々にしていった感じですね。

冨田:なるほど。一人一人得意不得意があると思うんですが、メンバーには均等に業務を振るのか、それとも人に合わせて役割があるのかでいうとどちらでしょうか。

宮地:前提として皆が採用に関わるっていうカルチャーで、基本的に業務を振るというよりもスカウトしているというのが正しいです。中には記事を書くのが苦手な人もいます。ただ、編集部が書く記事より本人が書く記事の方が熱量が伝わりやすいので、なるべく自分たちの言葉で書いてもらいたいと思っていますが、書くことを強制していません。文章を書くのが苦手だけどチャレンジしたいという人には、編集部が壁打ちや細かいレビューなどできる限りのバックアップをしています。

冨田:たしかに本人の意志で、自分の言葉で書いてもらうのって大事ですよね。

採用広報として、noteやWantedly、自社サイトなどありますが、媒体選定の考え方などってありますか。

宮地:Wantedlyだと、カミナシの採用に興味のある人しか見てくれない可能性や、自社サイトで運営すると、メンテナンスなどにエンジニアのリソースが取られる可能性もあったので、カミナシではnote proにしました。

note proならカミナシに興味がなくても検索性が高いので記事を見てくれる可能性があるのと、メンテナンスなどにも工数がかからないので選びました。ただWantedlyにもnote proで出した記事を月に一回、月報のような形で転載しています。

冨田:なるほど。ユーザーの体験で言ったら、どちらかの媒体にしか触れないってのはあるので、同じ内容を出すのは問題なさそうで、結論としては、誰にどんな内容を届けたいかを考えて、効果がありそうなら広げるのも一つの手って感じですかね。

宮地:そういうことになると思います。今だとnote以外にも、エンジニアブログをはてなブログでやっていたりするので、届けたい相手に届きやすい手法を選んでいますね。

続けていくための具体的な施策は?

冨田:先程続けていくのが大変というお話がありましたが、継続していく上での具体的な施策を教えてください。

宮地:一時期、発信が少なくなってしまったときには、「note・ブログ祭り」というのを社内イベントとしておこないました。チームごとに企画会議をおこなってもらって、1記事公開ごとに記念品をプレゼントしたり、スキ数に応じたお食事コースなどのインセンティブを用意したり。

これまで3回ほど開催していて、その期間は記事が大量に発信できるのですが、終了直後はどうしても祭りの後の静けさのような感じにはなってしまい、そこは改善ポイントではあります。

あと逆にイベントが盛り上がりすぎて、公開ペースが一日4本とかになってしまったこともあります。もはや社員すら読んでシェアするのが間に合わないみたいな(笑)。

参考:採用広報は全社員で!執筆・発信するカルチャーのつくり方

冨田:すごいですね、それはどうやって調整したんですか。

宮地:カレンダーを作って、予約制にすることでなんとかなりましたね。

高越:コンテンツが足りないお悩みはよく聞くんですが、出すぎて困るっているのは初めてききました(笑)。それだけの量が出るような状況をどう作ったのかも気になりますね。

宮地:当初はインセンティブを付けても、盛り上がらないかなと心配していたんですが、意外とみんなインセンティブの焼肉やお寿司を目指して盛り上がってくれたのでホッとしました(笑)。

▼ インセンティブの例
スキ50以上:焼肉コース
スキ100以上:高級焼き鳥コース
スキ200以上:会員制のお寿司

宮地:カルチャー的な問題もあるので、再現性があるかは自信がないですが、企業に合わせた巻き込み方が大事だと思います。

冨田:緊急性を高めにくい採用広報業務をしっかりと進めるために意識してることや仕組み化したことはありますか。という質問がきていますが、こちらはいかがでしょうか。

宮地:まずは優先順位を決めることが大事だと思います。当時はCEO直下にいたので、都度優先順位を確認しながら進めていきましたね。

仕組み化で言うと、Slackでレビュー依頼のフォームを作成し、Googleドキュメントで原稿を提出してもらうようにしました。

冨田:ありがとうございます。流れを明確にしてあげたんですね。

うまく現場と連携できてない企業が最初に始めるには何がおすすめですか?

宮地:1つは経営陣を巻き込むこと、もう1つはメンバー一人一人に入社エントリーや自己紹介エントリーを書いてもらうことです。これらは型がほぼ決まっているので、誰でも書きやすいというのがあります。過去にやってきたことや、なぜこの会社に入ったか、何をやっていきたいと思っているかは、大体あるはずなので、会社にいる人数分コンテンツができますよね。

冨田:なるほど。経営陣を巻き込むのって、難しい問題だと思うんですが、巻き込む上で押さえておきたいことはありますか。

宮地:経営陣のタイプにもよると思うんですが、まずは採用の重要性を知ってもらうことからだと思います。あとは発信力が大きい経営陣に発信してもらって、社内で成功体験を作ってもらうとか。結構恥ずかしがる方もいるんですが、広報が裏方として企画のサポートをしたり、ゴーストライターでもいいから、会社として発信して成功体験を作るのが早いかなと思います。

冨田:カミナシさんで言うとCEOの諸岡さんが出したnoteがそれにあたりますよね。


負け続けた3年間。最後のチャンスで生まれた「カミナシ」というプロダクト


「カミナシ」ローンチ。残り資金10ヶ月からの反撃開始

宮地:そうですね。これはカミナシnote編集部を立ち上げる前のものなんですが、当時いたメンバーがみんなでフィードバックして作り上げています。

冨田:宮地さんのような方が「ここまでのレベルなら出しても大丈夫ですよ」と背中を押してあげるだけでも、一週間公開が早められたりしますよね。

高越:やっぱり初めて書いて出す時ってすごく不安なので、そういうコミュニケーションが社内であると「よし、頑張って書こうかな」となりそうですよね。

宮地:そうですね。あとは周りが一緒に盛り上げるのは、社長でも社員でも関係なくやりましたね。やっぱり公開したのに何も反応がないのが一番寂しいですからね。

感動した点や感想を伝えて、全社のSlackで「〇〇さんの記事公開!お疲れ様でした!」などと全力で盛り上げて、経営陣も感想を書いてくれていましたし、各自のSNSでシェアしていました。

冨田:そこらへんは採用広報がファシリテーターになってあげると良いですよね。執筆者は、書くことで力尽きちゃうので、社内への拡散を採用広報がやってくれるのは書き手としてはすごくありがたいことだなと。

現場が忙しそうで巻き込みづらいのはどうすればよい?

宮地:まずは経営陣から採用の重要性を説いてもらうのが一つかなと思います。採用しないと自分たちの忙しさは変わらないことを理解してもらい、自分たちが楽になるために採用は重要だよねと。あとは現場のキーマンであるマネージャーを巻き込んでいくのが良いかなと思いますね。

採用への貢献を評価制度に入れている?入れるべき?

宮地:カミナシでは、等級制度があり、その等級要件の中に「採用貢献」という項目を設けています。これは経営陣から採用への貢献が全メンバーにおけるミッションだよという強いメッセージに基づく設計になっています。

評価制度の中で採用貢献に関するフィードバックもすることが出来るので、良い循環になるんですよね。本人も評価に繋がるので、noteを書いて、スキ数やカジュアル面談数もアピールできるし。

現場との定例会議は実施している?内容は?

宮地:立ち上げ時は採用チームと2週に1回、ミーティングをしてネタや重点的に採用したいポジションの情報交換をしながら、この人にインタビューしたほうが良さそうとか、この企画良いかもなどを話していました。現在は各現場と採用チームが定期的におこなっている感じですね。

冨田:なるほど、日々採用チームの方が会社の取り組みやその他のところからネタをもってきたり、メンバーからアイデアをあげてもらったり、採用したい職種や課題からコンテンツ案を出したりするって感じですかね。

宮地:おっしゃる通りです。

冨田:ありがとうございます。あとは記事品質やレビューに関する質問で、書き慣れていないメンバーでも文章が書けるフォーマットや育成方法があれば知りたいです。というご質問ですが、いかがでしょうか。

宮地:そうですね、正直な話、はじめからみんな文章を書くことが得意な人ばかりではないので、書き方がわからない人もいれば、タイトルとオチがあっていない原稿を書く人もいました。その場合は、noteの構成の考え方や誰に何を伝えたいか、読了後にどう思ってもらいたいかを最初に考えてみようと伝えたり、見出しを最初に考えて、そこから言いたいことを箇条書きで書いてもらったりして、その段階で一回提出してもらうようにしています。

最近では、原稿の最初に誰に何を伝えたいかが書いてあるものが増えた気がしますね。

冨田:いいですね。あとは現場からあがってきた原稿をレビューする上で外せない点などあれば是非お聞きしたいです。という質問もあります。

宮地:大前提として、構成や句読点の使い方、文章が読みやすいリズムになっているかは重要ですね。あとは、広報観点でいうと、社員や他社を陥れるような表現がないかとか、初めての人が読んでもわかるようになるべく平易な言葉にしたり、専門用語を入れるにしても注釈を入れるとかですかね。

あとは自分が読んでいて面白いと思うポイントや学びがあるかは大事にしていました。

冨田:ありがとうございます。じゃあ最後に高越さんにも感想をお聞きして終われたらと思います。

高越:はい!なんであんなに面白い記事が日々出てるんだろうかっていうのがちょっと今日で分かったような気がします。カミナシさんの記事は、どれも切り口が面白いので、今日の話を踏まえて、この記事はどうやって書いたんだろうと探りながら、読んでいただくとまた新たな発見になるかなと思います。

冨田:今日は皆さんありがとうございました。

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