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イベントレポート


「事業成長に入り込める人事のあり方」とは?HERPユーザーコミュニティHR勉強会【イベントレポート 】

投稿日:2024/7/26

更新日:2024/6/19

「事業成長に入り込める人事のあり方」とは?HERPユーザーコミュニティHR勉強会【イベントレポート 】

HERPユーザーコミュニティには採用に携わる方が多い中で、「採用」という枠に閉じて思考や行動をしてしまうと、本質を見失ったり事業成長という目的から外れてしまうことが多々あります。

そこで事業成長のために視野を広く持ち、人事としてどうあるべきかを考えていくために、2024年4月16日(火)にHERPユーザーコミュニティで4回目となるHR勉強会を開催。「事業成長に入り込める人事のあり方」というテーマで、株式会社 Your Patronumの森数美保さん、セレブリックスの梅田翔五さんにお話を伺いました。記事では当日の内容を詳しくご紹介します。

登壇者紹介

株式会社 Your Patronum(ユアパトローナム)代表取締役 森数 美保

転職エージェントJACリクルートメントでキャリアをスタートし、Misoca(現:弥生)でエンジニア採用をゼロから構築、組織を2倍に。株式会社キャスターでは採用代行事業を中心に複数事業をリードし、執行役員に就任。全社の採用責任者も務める。株式会社ミライフ執行役員を経て、株式会社Your Patronumを創業。社労士の資格も活かし、事業と組織を強くする事業を展開している

株式会社セレブリックス SQiL Career Agent 事業責任者 梅田 翔五

大手人材紹介会社でCAマネージャー、SaaSスタートアップでセールスマネージャーを経て、現在は株式会社セレブリックスにて新規事業開発に従事。 営業職特化の人材紹介サービス「SQiL Career Agent」の事業責任者を務めている。転職やキャリアの相談、採用面接などを通して、2,000名以上の営業パーソンと対峙

モデレーター:株式会社スピークバディ HR 採用担当 坂根 扶美

新卒でネットプロテクションズに入社し、採用・営業・企画に携わった後、企画デザイン会社でPRプランナーを経験。2022年8月にスピークバディに入社し、現在は採用活動〜採用広報に携わっている

リーダー人材の不足

坂根:本日は「事業成長に入り込める人事のあり方」を考えていくべく、「リーダー人材の不足」、「事業側から見たスクラム採用」、「社内での立ちまわり方」という3つのテーマを用意しました。

さっそくお話を進めていければと思うのですが、事前にコミュニティアンケートで皆さんに「今抱えている課題感」をヒアリングしたところ、1つ目に挙げた「リーダー人材の不足」に悩んでいらっしゃる方が多かった印象です。森数さん、梅田さんから見ても、この課題は「あるある」という感覚でしょうか?

梅田:もう、あるある中のあるあるですね。もはや不足してる前提で組織づくりや事業を考えていかなければならないのではとすら思っています。そもそも生産人口が減っていて人材不足と言われてる中で、「リーダー人材」と言える方はおそらく10人に1人やそのぐらいの割合なので、本当に難しい課題だと思います。

あとは、「リーダー人材ってそもそも何」といった話もあると思っていて。まずは「自社の組織に必要なリーダー人材ってどんな能力・ポテンシャルなのか」といったことの定義から始める必要がある。そのうえで、「そういう人って育てられないんだっけ?」とか、社外から採用するかしないかといった議論をするべきなのかなと感じます。

森数:スタートアップに限って言えば、「とにかく手が動かせる人を採用したい」といったニーズから、結果的にリーダー人材の不足に陥るといった構造上の問題もありますね。

それから前職の時に、経営ボード、ミドルマネージャー、スタッフクラスそれぞれにアンケートを取ったことがあるのですが、最も疲弊しているのはミドルマネージャーだということが分かったんです。やっぱり「大変そう」「やりたくない」という風に思われてしまっていて、手が挙がりにくいというのもあるのかなと思っています。

梅田:ミドルマネージャーが昔より不人気になってきている感覚はおっしゃる通りで、僕もさまざまな会社からお話を伺います。

森数:加えて「専門性がキャリアの価値」みたいに言われ始めてしまったが故に、マネジメントコースに行くことに対して前向きになれない人もいるのかなと思っています。梅田さんはエージェント業で、日々キャリア相談を受けていると思いますが、そのあたりはいかがですか?

梅田:僕は営業の転職支援をメインに担っていますが、営業職においては男性はマネージャーに上がりたい方がまだ多いかなとは思っています。ただ、女性はマネージャーになるイメージを持ってない方が非常に多いです。家庭との両立のイメージが湧かないという方も多いですし、いわゆるロールモデルがいないといった話も本当によく聞きます。

森数:確かに、ロールモデルがいない問題はありそうですね。やれる気がしない、と。「マネージャーをやっている女性はみんな超人」と思われていることもあるかもしれません。

あと、もしかしたらスタートアップあるあるかもしれませんが、「強い人を集めたらそれでよし」みたいな傾向がありませんか?どんなに強い人でもその会社では最初は1年生だし、経験者だったとしてもすぐ立ち上がれるわけではないのに、「強い人だと思って採用したし、それなりの役職だし、いけるだろう」という感じで放り投げられてしまう。そうするとかなり厳しくて、短期離職につながり、結局リーダー人材が補われない…という構造もあるのではと感じています。

梅田:スタートアップの中途採用では、そういうことがよく起きています。もともとの期待値が高すぎるのと、「キミはその役職で入ってるんだから、自分で勝手に頑張ってくれるんだよね?」といった形になりがちです。

それから僕は、できるか分からない人でも組織が勇気を出して任せていく、抜擢していく、といった意識も必要かなと感じています。

僕自身、過去にあまりリーダー人材っぽくない人にリーダーを任せてみたところ、うまくいった経験があって。その人は会社の中では少しいじられキャラっぽい感じだったんですが、実は学生時代はよくリーダーポジションになっていたということが後から分かったんです。

もちろん全部が全部うまくいくわけではないけれど、「やらせてみたらできた」ということもあるんじゃないかと思います。

森数:本当にそうですね。できるまで待っていたら、いつまで経ってもできるようになりませんから。その立場になってみることで必要な知識に気付くと思いますし、適性やEQがどうとか言われますけど、個人的には後天的に身に付けられることも多いんじゃないかと思っています。ラーニングしていけばできる人、割といるのではないかなと感じます。

梅田:僕、最近反省したことがあって。僕は事業責任者なので僕の下に課長がいて、メンバーがいて…という組織構造なのですが、僕が会議に出ていると、課長が発言しづらくなったりしていたようなんですよね。

僕としてはその方に対して「もっとリーダーシップを発揮してほしいのに」と思っていたけど、僕がいないミーティングでは実はちゃんとリーダーシップを発揮していた。僕から見えていなかっただけなんだ、みたいなことがあったりして。上が監視しているとリーダーシップは発揮しづらいので、上司はいい意味で距離を置くというか、任せてあげることも大事なんだと感じました。

坂根:先ほど参加者の方から「募集や採用、入社後などの段階で導けないものですか?」という質問をいただきました。どんな人もリーダー人材になれる可能性があるとした時に、会社として、周りのメンバーとして、うまく導く方法ってあるのでしょうか。

森数:まず、何かしら課題があって、かつ自社内ではリーダー人材の育成が難しいので採用しますとなった時に、「その課題を解決できる人を探す」っていうのが1番です。

その後、スタートアップだと特に「育成コストをかけられない」問題があるんですよね。レイヤーが上の人は「あなたが仕組みを作る側でしょ」と思われてしまうので、導いてもらえるケースの方が少ないのではないでしょうか。

梅田:僕は正直、元々の適性も割とあると思っていて。マネジメントにはよく「型がある」とか「後天的に身に付けられる」といいますが、リーダーシップについては元々のキャラクター性など、割と先天的なものも大きいなとは思っています。ここは採用の入り口の段階で見極めていくのが重要なのかなと。

森数:たしかにそうですね。あとは初期フェーズで輝けるタイプと、成長期・拡大期など組織が大きくなってきた時に輝ける人と…といったように、フェーズによっても異なりますよね。

フェーズ変化が急激に進むスタートアップが多くて、対応が後手に回りがちになります。当初はリーダーとしてうまくいっていたけれど、フェーズが変わって合わなくなってきたという時に、言語化ができていなくてジャッジが遅れてしまい、組織に良い影響が出ない…といったことも割とよく見るなと思います。

梅田:最近スタートアップの人事の方とお話していて、「事業や組織の戦略を立てる」「それを執行してメンバーにやらせきる」「メンバーのモチベート、ピープルマネジメントをする」って、それぞれやることや使う頭が違うのに、これを全部できるリーダー人材を求めすぎなんじゃないかっていう話が出たんです。

その時、まずはピープルマネジメントを任せて、ある程度できるようになったらKPIマネジメントを任せて…といった形で、リーダー人材の育成のプログラムみたいなものがあったらいいのになとは思いました。

坂根:たしかにそうですね。エンジニア組織だと、エンジニアリングマネージャーとVPoEといったように役職が細かく分かれているので、他の職種もそういう風な形で進化していく可能性もあるかもしれませんね。

森数:でも、そこまで多様な人材を抱えられない、いろんな問題があるんでしょうね。だから「今のこの課題を突破するために、できそうな人を探そう」というように、なんとなく解像度が低いまま探してるケースがほとんどかなと思っていて。

曖昧なまま進んでいってしまった先に「リーダー足りない」問題が待っていると思うので、今必要な人を採用するのではなく、この先に起こり得ることを予測して人を採用することを考えていく必要があります。

梅田:これもスタートアップの話になってしまいますが、やっぱり事業サイドも日々数字に追われていたり本当に業務が多い中で、人事も1人何役もやってるような状態で、みんなが思考停止して手足を動かし続ける…といったことがよくありますね。

それが中長期的に続くと、どんどん曖昧な状態で「リーダー人材って必要だよね」みたいになってしまう。そのため、誰かが一旦手を止めてでも、組織や事業の状況を改めて中長期まで見るタイミングが必要なのかなとは思います。

坂根:そうでないと、「何でもできる人をとりあえず採用しよう」といった状況に陥って、ループしてしまいそうですね。

森数:そうですね。会社のカルチャーやバリューに照らし合わせて採用の中に入れていくという方法もあるかもしれません。それから、短期スパンの期待値調整も、きちんとするのは大事です。

梅田:ここは入ってくる人側の問題やポテンシャルと、受け入れ側の期待値や問題のマッチングもあると思っていて。受け入れ側の問題が大きいと、どんな人を採用してもパフォーマンスが出なかったりするんですよね。特に管理職の中途採用では「何人辞めんねん」みたいな会社とかもあるじゃないですか。こういう場合は会社側、経営者が自分たちを見直さないといけない。

管理職が変わったからといって、数カ月で組織の雰囲気が良くなるぐらいまではいけるかもしれないですが、成果が出るなんてことは半年でも難しいかなという感覚です。管理職の採用はそういう時間軸で考えてほしいですね。

事業側から見たスクラム採用

坂根:ここまでのお話で、採用は人事・採用担当だけがどうこうすればいい問題ではなく、経営や事業サイド、受け入れ側との連携も大事だということが改めて実感できました。これを踏まて次のテーマ、「事業側から見たスクラム採用」に移っていければと思いますが、事業側を巻き込んで採用をより良く回していくために、採用担当側としては事業者が採用に対してどう思っているかも学びになると思っています。特に梅田さんは、事業サイドにずっといらっしゃるというところで、ぜひご意見を伺いたいです。

梅田:今って、あらゆる職種で本当に採用の難易度が上がっています。それで、少し失礼かもしれませんが、ひと昔前は事業サイドの方が立場が上で、事業サイドのオーダーを採用担当がなんとか叶えてくるといった、そういう見え方をしていた時期があったと思います。

でも今や、事業サイドは労働市場や採用市場を鑑みた上でどういう人材を採用して事業を伸ばしていくのかを考えなければいけないので、採用担当の方々からの情報や、求職者から上がってくる声がすごく重要なんですよ。

ですので、「採用担当や人事の方々に期待したいこと」というと偉そうですが、ぜひ事業サイドを動かしてほしい。「いや、そんな人を採りたいって言っても、そんな人この年収じゃ採用できないですよ」みたいなことを、ガンガン言った方がいいと思うんですよね。

坂根:うちの会社だと、まさにそういう問題が起こっていたので、まずマネージャーにスカウトサービスの権限を渡して、実際の市場にいるペルソナを探して持ってきてもらう、といったことをやっています。

梅田:たしかに、マネージャーなどにスカウトサービスを1回見せるのは、いい教育かもしれません。

森数:お互い役割や専門性が違うだけで、「必要な人材を採用する、配置する」という同じゴールを目指しているはずなのに、お互いの解像度がふわふわした状態で進めていることがよくありますよね。多分、人事がどこからどこまで責任を持ってくれてるかを現場もよく分かっていない。

「これってこっちでジャッジするんだっけ?」みたいなことや、「森数さんが良いと思った人を採用してくれたらいい」といったことを言われることもあるし、きっと現場も「自分たちのことを分かってくれているのかな」と思うこともあるかもしれません。

以前Misocaというアーリーのスタートアップにいたときに、当時のメルカリがバンバン採用していたようなエンジニアを、市場よりかなり低い年収条件で採用しないといけない時期がありました。どこのエージェントからも相手にしてもらえなくて、みんなで協力して媒体運用して採用したんです。

その時最初にやったのは、エンジニアの仕事内容を深く知ること。最終的にはプルリクを出したりして、エンジニアリングを体験し、自分も語れる状態をつくったんです。そうすると現場側にも「自分が一緒に働く人を採用するんだけど、自分たちもやらないと」という空気ができてきて、一緒にスカウトタイムを決めてやったり、エンジニアの中から採用を兼務する人がでてきたりして。そういう風に、協力せざるを得ない状況をつくるというのも一つの方法かなと思いますね。

現場が協力しきれない構造はどこにあるんだろうと考えた時に、カジュアル面談疲れとか、「採用した方がいいのは分かるけど受け入れが大変」というように、採用に対して100%前向きじゃないメンタルモデルになっていることが割とあります。ですので、何が重石になってるのかを分解して考えてみるのもいいのではないかと思います。

梅田:スタートアップでもちょっと大きくなってきたりすると、現場サイドが採用を自分事に感じられなくなることは結構あるなと思っていて。面接に数分遅れることを何も感じず、雑になっていく…といった会社は本当によくあります。有名なスタートアップでも、面接官の態度が悪くて毎回候補者の志望度が下がるような会社もあるくらいです。

逆に、規模が大きくなってるのに面接官がずっと丁寧で、みんながアトラクトを頑張っている会社は、採用の重要性みたいなものがすごく浸透していますよね。カルチャーづくりみたいなものも人事だけでは難しいと思いますが、人事から現場の責任者や経営者を巻き込んでもらって、「採用って今の時代に本当1番重要なものだよね」という共通認識を持てるよう、雰囲気づくりをしてもらえるとすごくありがたいなとは、現場サイドとしても思います。

それから、採用活動の中で聞こえてくる求職者の声を事業サイドに上げていく、といったこともぜひしてみてほしいですね。求職者が何を気にしてどういう質問をしてきているのかを把握できると、それを踏まえて評価制度やキャリアパスなどを見直せたりもして、より良い組織になって、回り回って採用がしやすくなる…といったことも、きっと起こるのではないでしょうか。

森数:私は経営ボードのミーティングなどに外部CHROのような形で出席することがあるのですが、その時に思うのは、誰かを採用するとなったときにも、大事なのは「組織としてどうか」という視点なのに、そこが置いてきぼりになることがよくあるなと。

採用をした際の化学反応や、全体を捉えた時の組織ってどうなんだっけ?といった会話を意識的にしてもらうことで、中にいる人のことも踏まえた上で「より良い組織になるための手段の1つとしての採用」という風に、事業部側が認識できることもあるのではないかと思っています。

坂根:点ではなく、面で捉えていくような投げかけをすることが大事ということですね。

森数:はい。それから、実は採用のメッセージって社内の人が一番聞いてるんですよね。実態とズレたことを打ち出してしまうと、「あんなに良い事言ってるけど、実際違うのにな」なんて思われてしまうこともある。だから、「中の人へのメッセージでもある」ということを忘れないでほしいです。

特にリーダー人材を採用する上では、いい事ばかり伝えるのではなく、イシューのディスカッションをして、その人にその課題を預けられるかどうかという見極めもとても重要。なので、そのあたりも事業部とすり合わせておくと、より良い採用につながるのではないかと思います。

梅田:基本的に事業サイドは採用に関して素人なので、ある種、人事が教育をしていく視点も必要です。面接でも的外れなことを聞いていたり、全く再現性のないような面接になっていることも多々あるので。

だから、面接に同席するだとか、連携の機会を増やすことが地味に大切です。「みんなで協力しよう」の前に、まずは現場サイドを1つ1つ導いてあげる。それができて初めてスクラム採用なのかなとは思います。

森数:そうだと思います。面接も同席をしていればフォローアップができるけど、クローズドでよく分からない状態で終わってしまうと、あったかもしれない可能性が全て摘まれていくことになるので、同席してディスカッションやフィードバックをした方が早いかもしれません。

坂根:中には「やったことあるから、僕はある程度分かってますよ、見極められますよ」みたいな人もいますよね。そういう時に、どうディスカッションしていくのが良いのか悩んでしまいます。

森数:そういう時は、感覚ではなく、ファクトでどう押さえるかのジャッジ基準を言語化していました。例えば評価基準の中に「誠実である」を設けている会社もあると思うのですが、何を持ってそれを判断するのかの視点が欠けているケースが多いんですよね。その認識ギャップを埋めていくのが大切です。

私の場合は、どういう回答なら良い・悪いと判断するのかといった評価シートを人事の方で作って、質問例もその人のキャラクターに合わせて選べるように何パターンか用意するといったことをしていました。

坂根:なるほど。面接のファクトが残ってないがために、すり合わせの際に感想合戦のようになってしまうという課題があったので、ぜひ真似してみたいと思います。

社内での立ち回り方

坂根:では次のテーマ、「社内での立ち回り方」に移りたいと思います。戦略などの上流からしっかり入っていけるような人事になるために大事なポイントを伺えますか?

梅田:少し過激なことを言ってしまいますが、人事の方々って面談や面接、日程調整など、手足や口を動かす仕事でカレンダーが埋め尽くされることって結構多いと思います。なのですごく忙しいし、皆さん頑張られているのは間違いないんですが、例えば評価の際や経営層に何かを報告しなきゃいけない際に、戦略的な報告や分析がきちんとできていないことが多いと感じます。

その結果、「全然分析できてないじゃん」とか、「ふわっとしてて分かんないんだけど」みたいな事を言われてしまって、すごく努力をしているのに報われないなって。

なので、忙しいのは大前提ですが、少し手足を止めて、「今って採用戦略上何がベストなのか」とか、「自社の組織課題は何か」という、経営陣が欲しいような上流の会話をしていくことが、経営サイドを巻き込んでいくために必要だと思います。

森数:私がいろんなクライアントさんの経営会議に入っていて思うのは、採用にかけられる予算について、どの媒体にするかやエージェントフィーにどれぐらい割くかを考える前に、自社でやることと社外パートナーとやることとか、どこに予算を割り振るのかをもう少し話し合うべきなのではということ。

面接をするのもオペレーション回すのも自社でやるべきだと皆さん思っていると思うのですが、そうすると疲弊してしまうので、予算の使い方を提案し直してみるというのは一つの方法かと思います。

梅田:たしかに、予算の使い方も大切ですね。

森数:採用予算って、「例年こういう使い方だから」という風になんとなく決まりがちです。そうではなくて、もう1回最初に見直してみるだけでも違うはず。

それから、先ほどの面接の話とも重なりますが、「ファクトで語る人が少ない」という課題も感じています。

例えば「良い人がいない気がする」とか、「歩留まりはいいんだけど応募が少ない気がする」という風に言われて、ファクトを取りにいったら全然違った、ってことが本当によくあります。なので、「数字で語れるようにする」を意識しておくと、先ほど梅田さんが仰ったような、経営陣とのディスカッションの際にもやりやすくなるんじゃないかと思います。

梅田:付き合いのあるエージェントなどから常に採用市場のトレンドをキャッチアップして、その情報を経営層が欲しい形で常に上げていくといった動きも大切ですよね。そういった動きをしていくと、経営サイドの理解も得られてくるのかなとは、今聞いていて思いました。

森数:そうですね。それから、社内の人へのヒアリングをしていない会社が割と多いんですよ。例えば入社を決めた理由や決め手になったポイント、入社前後のギャップはあったのか、1番困ったことは何かとか、そういう質問をして定点観測することで、自社の魅力や埋めた方がいい課題が見つかったりします。

入社から3カ月くらい経ってしまうと最初に感じていたギャップが分からなくなってしまうので、入社2週間目くらいにヒアリングをするというのを、オペレーションの中に組み込んでしまうのがおすすめです。

坂根:少し話が戻りますが、「数字で語れ、ファクトで語れ」って、ビジネスの基本なのに、採用の現場ではできてないことが多いと思うんです。これってなぜなんでしょうか?

森数:それは、いろんな価値観と解釈を持った人が協働し、伝言ゲームで成り立つのが採用だからなんですよね。

それからもう1つ、採用管理システムを用いても、本当に知りたい細部の数字を正しく把握するのはなかなか難しく、捉えにくいという問題もあるかもしれません。

梅田:数字分析のやり方が分からない、採用管理システムを入れていなくて数字が取れないといった話と、あとはやっぱり、「そこに時間をかける余裕がない」みたいな話とが複数組み合わさっているといったこともありそうですよね。

坂根:たしかに、数字分析に時間を取らなきゃいけないし、市場の情報も取らなきゃいけないし…というのも分かりつつ、やっぱり目の前の候補者さんを優先せねばといった頭が働いて、メールが来るとそちらに集中しちゃうというのはよくあるなと個人的には思っています。

そこで言うと、先ほど森数さんが「外部パートナーをうまく使いましょう」といったお話をしてくださったと思うのですが、まさにそういう、手足を動かすところをお願いしてみるのは効果的だったりするのでしょうか?どの部分をお願いすると良いのかが迷いどころで。

森数:採用上のボトルネックがどこにあるのかにもよりますが、日程調整などのオペレーションには一定、「ミスなく漏れなく素早くできる効率の良い正しいやり方」が存在するので、そこはプロに頼んでもいいのかなとは思います。

梅田:経営者の思想にもよりますが、基本採用担当って人手不足な部門だと思うので、リソースを外部から調達するのは本気で検討すべき手段の一つなんだろうなと。今やBPOサービスも沢山あるので、使う使わないは置いておいても、調べてみるというのはやってみてもいいのではないでしょうか。

森数:やらなきゃいけないことと、やった方がいいことしかないのが採用業務なので、その中で一番ゴールに対して影響があるものを考えるのが良いのかなと。それから、変数が多すぎると何が良かったのかが分からなくなってしまうので、一気にいろいろやらないというのは、過去に徹底して意識していました。

坂根:「一気にいろいろやらない」はたしかにすごく重要ですね。心に刻もうと思います。

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