
投稿日:2023/7/20
更新日:2023/7/18
株式会社Another works マーケティング担当
長崎 立(Nagasaki Tatsuru)
2020年7月にAnother worksにセールスインターンとして入社。
インサイドセールス、フィールドセールス、代理店マネジメントを兼任。
2021年8月にtoBマーケティング部の立ち上げに従事。
SNS 広告、Google広告、ウェビナー企画〜運営をメインにリードジェネレーション施策を担当。
株式会社Another works 採用責任者
吉川 彰悟(Yoshikawa Shougo)
2017年に人材大手パソナへ入社。
企業の経営層に向けて顧問やフリーランスを業務委託紹介する新規事業部署に配属され、3年間法人営業として業種業界問わず決裁者アカウント計500社以上の開拓。その後「挑戦する全ての人の機会を最大化する」理念に共感し、2021年1月に正社員3人目として参画。営業〜CSなど現場業務と並行して未経験で人事を担当し、採用責任者として2年で40名以上の採用を実現。
株式会社HERP
冨田 真吾(Tomita Shingo)
新卒で、株式会社ビービットに入社。
デジタルサービスのUXコンサルティングに従事したのち、SaaS型の分析クラウドのインサイドセールスチームの立ち上げ、プライシング戦略の立案などに従事。HERPに参画後はレベニューマネージャーとしてビジネス組織の立ち上げをしながら、100社以上の採用支援を担当。ビジネスチームの採用・組織づくりも担っている。
株式会社メタップス 開発部部長 「re:shine」事業責任者
阿夛 浩孝(Ata Hirotaka)
500万人規模のコミュニティサイトを少数のエンジニア体制で企画から開発・運用までを幅広く経験。
メタップス参画後はリードエンジニアとしてリワードシステムの安定化、ビッグデータの分析基盤の設計・開発等を経て、60名を超える開発部の部長へ就任。
採用から評価設計、エンジニア育成や同社新規事業の責任者も兼務。
HeaR株式会社 採用コンサルタント / グロースチーム リーダー
篠村 恭太(Kyota Shinomura)
新卒で財閥系金融企業に入社後、地方ベンチャー企業→起業→広告営業→事業開発→人事を経てHeaR株式会社に入社。
現在は採用コンサルタントのほか、フィールドセールスを兼任。候補者体験設計などの採用ブランディング戦略の設計を強みとした採用支援を実行している。
長崎:本日は「人事と現場で創る エンジニア採用の候補者体験」と題して、4社にお集まりいただき、エンジニア採用について3つのテーマに分けてお話を伺っていければと思います。
スタートアップならではの人事と現場エンジニアの連携のポイント
スタートアップならではのエンジニア母集団形成のための候補者体験設計のポイント
スタートアップならではのエンジニア内定承諾までの候補者体験設計のポイント
長崎:まずは最初のテーマ「スタートアップならではの人事と現場エンジニアの連携のポイント」についてですね。各社さんから一言でポイントを挙げてもらい、想いや背景、成功事例などをお話しいただければと思っています。

長崎:早速、左上の「市場理解・競合理解を武器に対等な関係を」と挙げてくれたHERPの冨田さんからお願いいたします。
冨田:今日参加してもらったのは、経営者やエンジニア出身ではない非エンジニアの採用担当が多いのかなと想像して、ポイントを挙げさせてもらいました。
採用担当がエンジニアリングができるわけではないので、採用に真面目に協力しようと思えば思うほど、御用聞きになり、立場が弱まってしまうなんてことがあるあるだと思います。結果的に、エンジニアリングが忙しくなって、採用の優先度を下げたいと言われたときに、何も言い返せなくなるなんてこともあります。
そんな状況に陥らないために人事側で必要になってくるのが「市場理解」と「競合理解」です。
これはマーケティングの3C分析で用いる、市場・競合・自社の3つの内の2つで、採用でも重要なポイントだと思っています。「自社」においては、エンジニアの人達とスキル面で並ぶのは不可能なので、「市場」と「競合」の理解で対等な関係を築いて、同じ成果に向き合うのがうまく連携していくポイントです。
市場理解としては、エンジニアの方、特に自社がターゲットとしている方が転職に求めているものがなにか、その人達の給与水準ってどのくらいかを意識してみると良いと思います。ここ1〜2年でもすごく変動しているので。
あとは各社が使用している媒体にも注目してみると良いかもしれません。どんなtoC向けのサービスを使って、どんな打ち出し方をしているかなど。他にもエンジニアに刺さる内容なのかや、その内容からどんな層が多く登録しているサービスなのかイメージが湧いているか、媒体の営業の方とコミュニケーションが取れているかなど理解しておくことと良いと思います。そうすることで、社内へファクトを持って交渉できるようになるので、連携のポイントとして挙げさせていただきました。
長崎:ありがとうございます。採用って本当に知識が重要ですよね。人事側の話がメインだったので是非、エンジニア目線で阿夛(あた)さんにもお話を伺えたらと思います。
阿夛:今の話は、私も共感できるポイントが多いです。人事も現場で開発する側も事前に知っておかないと予算を組めないので、「どういう人を採用しないといけないのか」は特にコミュニケーションが必要になってくる部分だと思います。
長崎:エンジニアも人事も、両者の協力なくしてエンジニア採用は難しいので、そこの視点は改めて大事なんだなと思いました。ありがとうございます。
そのままの流れでメタップスさんのお話をお伺いできればと思います。
阿夛:はい。私は「☓ 人数 ◯ 工数」と挙げましたが、これは採用する人は人数ではなく、工数で決めましょうという意味合いです。事業会社であれば、エンジニアが何人欲しいという会話で終わらないと思うので、イメージが湧きやすいと思います。
しかし、人事とコミュニケーションを取れていない場合だと、人事はKPIを人数で持つので、現場からすると人数が担保されたのに、〇〇をやってくれる人いないじゃんってなってしまうんですよね。
募集要項を作るにしても、開発側の出す募集要項は人事が理解できるものではないので、人事が世に出る募集要項に修正するんですが、それを目にする求職者であるエンジニアが理解できないものになってしまうんです。そのため、出す前のすり合わせや、外からの見え方も含め、現場と人事で認識を合わせるべきだと思っています。
人数のKPIだけではなくて工数で考えて、この領域ではどういう人がどのぐらいの工数をかけないといけないというところまで、きちんと人事と開発で落とし込むのを時間かけてやらなければいけないと考えています。
長崎:人事とエンジニアで共通認識が取れていなかったら、求人を出しても齟齬が生まれるのは当たり前ですよね。
HeaRさんも採用コンサルで支援されてる中でこういう課題を抱えている企業さんもいるんじゃないかなと思うんですが、篠村さんいかがでしょうか?
篠村:阿夛さんが仰ってた人事側とエンジニア側との歩み寄りみたいな所って本当に一つの大事なテーマだなって思っています。採用担当としてどうやってエンジニア側に寄り添っていくかで言うと、エンジニア採用をやる上で身につけておかなければならない・知っておかなければならない知識みたいなのって一定あると思っています。
ITパスポートとか基本情報技術者などを取りにいくのはtoo muchかなと思っていて、コンサルタントのオンボーディングでもよく使っている「非エンジニア人事のためのエンジニア採用の教科書」や「完全SIer脱出マニュアル」という本はおすすめです。
長崎:なるほど、ありがとうございます。
では、ポイントとして挙げてもらった「プロンプト」についてもお話しいただけたらと思います。
篠村:最近流行りの「プロンプト」って言葉を挙げてみました。プロンプトは、いわゆるAIに対しての質問や指示で使うと思うんですが、この場ではエンジニアの方にどう寄り添って欲しいのかの伝え方として話していければと思っています。
具体的には、エンジニアの方に採用に関わってもらう上で、どんなロールで何を期待してるのかって言うのを、曖昧なまま巻き込んでいないかっていうことを皆さんに問うてみたいです。
漠然と「エンジニア採用に関わって欲しいんだよね」のような巻き込み方は、エンジニアの方も「本業じゃないし・・・」といった感じになってしまうと思います。そのため、ここを丁寧に伝えることがすごく大事なのかなと思ってます。
例えばスクリーニングの中で採用担当としてここの部分はできるけど、ここの部分はできないんだよねみたいなのを丁寧に伝えることが重要だと思っています。
弊社が採用要件の定義の部分でご支援させていただく時は、4つに切り分けをして考えています。1つはミッションフィットで、会社としてあるいは事業部として何がミッションになってるのか、そのミッションのフィット感を探るための採用要件の決定や質問は何かを一緒に考えています。
2つ目はカルチャーフィットで、会社としての文化や事業部、チームのカルチャーみたいなところですね。3つ目がポータブルスキルで、論理的思考力などをもとにしています。
最後はテクニカルスキルで、いわゆるエンジニアリングスキルになってくるかなと思います。この4つをスクリーニングで見極めていくとなった時に前半の2つ、ミッションフィットとカルチャーフィットは、採用担当の方が見極められるんじゃないかなと思います。しかしポータブルスキルやテクニカルスキルは、やはり現場の方に見てもらいたいなどの希望があると思うので、それらを丁寧にエンジニアの方に伝えれば理解してもらいやすいんじゃないかなと思います。
アトラクトの部分では、自社で「REAL」というフレームワークを開発しているんですが、是非現場の方に試してもらいたいです。
Respect(尊敬):羨望の眼差しを持ってもらえるような振る舞い
Empathy(共感):同じような境遇で転職をした背景や実情
Appliciate(理解):なにかを承認する
Learning(学び):一緒に働くことで学びを得られる
Respectであれば、尊敬してもらえるような振る舞いや一緒に働くことで成長できるのではないかと思ってもらえるような雰囲気をエンジニアに醸し出してもらうこと。Empathyであれば、自分も同じ様な境遇で転職して、こんな風になれたんだよねといった共感を得ること。Appliciateであれば、スキルや想いなどを理解してあげるアトラクトの仕方、Learnigであれば、一緒に働くことでエンジニアリングスキルをもっと学べるのではないかと思ってもらえるようなことですね。
自分たちができることと、お願いしたいことを丁寧に伝える「プロンプト」が大事になってくるのかなと思っています。
長崎:ありがとうございます。ミッションやビジョンとかは、弊社も本当に1番意識してるポイントでもあるので、是非そこも踏まえて、弊社の吉川から「お神輿を意識」についてお話させてください。
吉川:スタートアップやベンチャー企業は工数が足りなく、どうしても力を貸してもらわなきゃいけない状態であると思うので、1人ではなく皆で力を合わせてコトに向かうという意味で「お神輿を意識」という言葉をポイントとして挙げました。
いかに成果を出していくかを考えてみると、エンジニアの協力は必要不可欠なので、エンジニアイベントやその後の交流会を開催するなどの「場」の提供や、「この部分はお願いします」などの振り方は人事が用意してあげるのが非常に大事だと思います。
例えば弊社であれば、共催でHRBrainさんやSmartHRさんとイベントをやらせてもらうんですが、そこでCTOが複業クラウドの開発の裏側の話をすることで、興味を惹き、あとの交流会で懇親を深め、カジュアル面談を設定するなどしています。
長崎:スタートアップやベンチャーって、何事においてもスピードを大切にしますが、しっかりと工数をかけて、人事とエンジニアが丁寧に連携を取り、アプローチをかけないと成功に結びつかないということが4社のお話から改めてわかりました。
長崎:続いてのテーマ「スタートアップならではのエンジニア母集団形成のための候補者体験設計のポイント」です。今までは人事とエンジニアの連携をテーマにしていましたが、ここからは母集団形成の文脈でお話しを伺えたらと思います。
具体的にはどのように母集団を形成するのかや、候補者体験を意識しておこなっていることをメインにお話いただきたいと思います。まずは弊社の吉川から「間口の拡大」について詳しくお話します。

吉川:弊社が「間口の拡大」としてやっているのが、複業からの参画です。転職意向のない潜在候補者に対して、複業で携わってもらい、社内のことを知ってもらうような動きをしています。
Slackで社内の人のことやプロダクトについて知ってもらい、ファンになってもらい、正社員で働くことを検討していただく入り口づくりをしています。
スタートアップだからこそ大手企業や動きが一歩目が遅くなってしまう企業に勝てるポイントとして、「間口の拡大」。複業からの参画をポイントとして挙げています。
長崎:本当にそうですね。大手ではできないところにスタートアップだからこそリーチして、スピード感をもってアプローチすると、気づいたら正社員になってる。みたいなとこはありますよね。
「緩い繋がり」を挙げていただいているHeaRさんも少し近しい話なのかなと思うのですが、篠村さんいかがでしょうか。
篠村:エンジニアの転職顕在層が全体の5〜6%しかいないと言われている中で、エンジニアの心理を客観的に理解する必要があるのかなと感じています。良いところがあれば転職しようかなと思っているくらいの人や、報酬面で考えてフリーランスの方が良いって思う人も居ると思うので。
そのため、いきなり正社員採用を目指すのではなく、副業などで緩く繋がっておいて、心理的な状況の変化があったタイミングで第一想起を取っていくのが一つの戦略なのかなと思っています。
日頃エンジニアの方とコミュニケーションを取っていると、フリーランスとしてやっている中で孤独感を感じている方も居たりするので、会社という同じ船に乗って一つのゴールに進んでいくという感情的な価値を感じて、正社員になってくれる方も一定数いるんじゃないかなと思っていますね。
弊社でも元々フリーランスでやっていて、キャリアに課題を感じて正社員として戻ってきた人もいるので、エンジニア採用でも全然あり得るんじゃないかなと思っています。やはり「緩い繋がり」がテーマになるのかなと思いますね。
長崎:本当にそうですよね。辞めた後でも緩い繋がりを持っていて、また戻ってきたりするケースもあるので、非常に共感できるような内容でした。
では次にメタップスの「スナック経営」の話を詳しくお聞きしたいです。阿夛さんお願いします。
阿夛:ふざけたことを書いてると思われてしまうかもしれないんですが、これって実際にメタップスの社内で人事とコミュニケーションをとる時に出てくるキーワードなんです。
母集団形成や候補者体験を「スナック経営」に置き換えて考えてみると少し面白いんですよね。
スナック経営で真っ先にやることは「コンセプト作り」です。これって採用の文脈で言うと、会社のブランドみたいなものですよね。その後は、開店する地域から客層の分析をして、ターゲットを決めるわけです。採用で言う「ペルソナ選定」みたいな話ですよね。
さらに、スナック経営でいう「常連客作り」は、採用の母集団形成に当てはまるのかなって。それ以外でも「既存のお客様の紹介」は、「リファラル採用」とか、「近隣のお店や周りとの人脈つくり」は、「他社さんとの合同イベント」で自分たちのことを知ってもらうみたいな動きですよね。あくまで例え話ではあるんですけど、面白いなって思って。
先程の篠村さんのお話にもあった通りで、良いところがあったら転職したいと思ってもらうためには、まずは知ってもらわないことには始まらないので、母集団形成をするためには何が必要かと考えたときに「スナック経営」という言葉で表現してみました。
長崎:「スナック経営」みたいなキーワードで言うと、HERPさんの「スクラム採用」が浮かんでくると思います。何か共通する部分があるのかなと感じたんですけど、冨田さんからコメントをいただけますか?
冨田:多分視聴者さんと一緒なんですけど、「スナック経営」はイメージしやすくて凄く良いなって思いましたし、構造も似てますよね。今のスナックって出歩いてるお客さんの数が少ないので、その中でファンを作らないと回らないっていうのと、エンジニア採用の需給バランスが崩壊してるので数少ないパイを、しっかり温かく体験を意識して包み込んでファンにしていくみたいな。凄く良いコンセプトだなって思って意識しようって思いました。
長崎:ありがとうございます。ではそのまま冨田さんの「スカウト業務をご一緒に」というテーマでお話を伺えたらと思います。
冨田:エンジニア採用って需要と供給のバランスが悪い状況でどう頑張って採用していくかみたいなのがゲームルールになっていますよね。
お三方も、転職顕在層は35%しか居ないので、残りの95〜97%の人達と少しでも接点を持っておくことが中長期で見たときに採用がうまくいくと仰っていたので、僕はあえて3~5%に向けてのおすすめのアプローチ方法をお話できたらと思います。
この施策さえやればうまくいくってのは正直なくて、あの手この手を繰り返し、組み合わせて行っていくのが企業側に求められることかなと思います。その中で、適当なことをしてしまうと上手く行かないので、候補者体験を担保しつつ施策を動かさなきゃいけないです。この点はすごく人事側が頭を悩ませることなのかなと。
そこでやはり施策を連動させるって意味で「スクラム採用」が出てくるんですが、採用に協力して当たり前って状況を作るのが、人事としてやれることなのかなと思いますね。
施策の中でもスカウト業務は骨の折れる作業なので、一緒にやるにはいいんですよね。一緒にやることで、スカウトを打っても打率よくないねや、全然人こないねみたいな話しになって、「だったら前に一緒に働いていた人に声かけたほうがいいじゃん」とか「複業スタートのメンバーの採用も積極的に行おう」とか、現場のメンバーの納得感を得られるんですよね。そこから建設的な議論が起こり、採用活動が前に進むので。
スカウト業務を一緒にやって大変さを実感する、率の悪さを実感するってのがおすすめの施策の一つですってことで「スカウト業務をご一緒に」と挙げさせていただきました。
長崎:ありがとうございます。弊社の吉川もスカウトにおいて結構こだわってる部分があると思うのですがいかがですか?
吉川:母集団を作る上でも、今の市況感を知る上でもスカウト業務を一緒にやるのはすごく良いことだなと思ったので、共感しました。スカウトを打ってもレスがないと、まだまだ知って頂けていない自社の立ち位置を痛感しますね。そういった中でも施策を考えるベースになってくるので、スカウト業務はやる必要性を感じますね。
スカウトを通してお会いした方に、どういったところに興味を持ってくれたかが聞けたら、その点を厚く書けばいいんだと、PDCAを回すきっかけにもなりますし。
長崎:最後は「スタートアップならではのエンジニア内定承諾までの候補者体験設計のポイント」ですね。母集団形成をして接点を持った後に、そこからどうやって採用に繋げるかですね。

阿夛:では私からお話させていただきます。内定承諾までにどんな体験をしてもらうのが良いかがポイントになってくると思うので、ここでも「スナック経営」を挙げさせてもらいました。要は常連客=自社のファンをどう作るかがポイントです。スナックで言うと、「またこのお店に来たいな」ってのは、採用で置き換えると「一緒に仕事したいな」になるんですよね。
ファンや自社を知ってもらっている人を増やすと、内定承諾率って大きく変わってくるかなと考えています。
メタップスでは実際に毎週ビール会ってのを開催しています。オフィスがWeWorkに入っているので、無料でビールが飲めるんですよね。「飲みに行きませんか?」と誘える環境なので、結果的に本当のスナックになっているのですが(笑)。
そのビール会では内定を出す出さないはなく、純粋にメタップスを知ってもらうことや、候補者体験を良くするって目的で行っています。エンジニアが参加してくれる頻度もあがっていて、会社を辞めるか迷っていることや、〇〇って会社から内定をもらったんだけどどうですかのようなことまで、友人として相談に乗るような感覚で話しています。
たとえば、会社のフェーズや実際にやっていること、どんなことがやりたくて辞めたいと思っているかなどブレイクダウンしていくと、だったらまだ今の会社の方がいいのかもしれない、それだったらやめた方がいいかも、とかを結構本気のトーンで返しています。
そういった形でコミュニケーションを取ることで、相談しやすい相手として思い出してくれたり、木曜日にふらっと来れる場所として覚えてもらったりしています。自社のエンジニアも多く参加しているので、そこで外部から来た人と話して、気があったりして、また来ますと言ってもらえたり。
ビール会始まりで「どこかでこの人と一緒に働きたい」と思ってもらえたら、内定承諾率も上がっていくと思っています。採用するしないは置いておいて、その人が転職を考えるタイミングになったときに第一想起してもらえる会社になっておくことを徹底しています。
名実含めスナック化しているので、そういった意味で「スナック経営」と再度挙げさせていただきました。
長崎:改めて「スナック経営」ってすごいなと思いましたけど、面接の場じゃ絶対聞けないようなことをブレイクダウンして話せるのが強みですよね。いつ辞めるんですかって面接でされたら、クロージングされてるって思いますもんね。
だからこそお酒を片手にフランクに話せる環境ってめちゃめちゃ大事だなと思いました。ありがとうございます。こちらについて冨田さんからコメントをいただきたいのですが、いかがですか。
冨田:最近コロナの感覚がやっと薄れつつあって、オフラインのイベントや勉強会にいくと、これこれ!ってなるんですよね。どういうことかって言うと、コロナ前ってイベント自体よりも、その後の懇親会が本当はメインで。
コロナが明けてきて次のフェーズがきて、どうやって求職者さんと接点を取っていくかを考え直すいいタイミングになってきたなと感じています。
長崎:ありがとうございます。では、続けて「情報の透明性」について冨田さんお願いします。
冨田:似たような話が続いてしまうんですが、我々スタートアップって採用活動をしていると、本当に何者でもないって感じますよね。実績面だけだと求職者さんに選んでもらう理由にならないんですよね。
なのでスタートアップのアトラクトの方法として、裁量権の大きさとボードメンバーとの距離の近さがあるんじゃないかなと考えています。自分も経営者の1人ぐらいの気持ちで携われるっていう。それってただ口だけで言って伝わるものでもないので、それをどう伝えるかが「情報の透明性」と書いた理由です。
経営者や現場のメンバーから「〇〇に困っているんですよ」とか「実はこの間話した〇〇は解決して、次は△△をやっています」とかを教えてもらえると、求職者さんはワクワクしますし。
リクエストさえあれば、透明性のために社内のメンバー全員と話すとかもやったほうがいいと思っています。20〜30人のスタートアップなら全然可能だと思うので。HERPでもNDAを結んで、社内ミーティングへの参加やSlackを見てもらうなどしています。
ビジネスサイドでも効果はありますが、エンジニアの方は特に開発しやすい環境かを外から見える情報で判断すると思うので、やる意味はあるのかなと感じています。
長崎:ほんとに情報の透明性はめちゃめちゃ大事で、最近どの企業でもWwantedlyやnoteで自社のことを色々と発信していますが、社内のことが社外から見て、わからない状態だと入りたいと思ってもらえないので、それが当たり前になってきているので、非常に大事だなと思いました。
「現場でリアルを体感」も「情報の透明性」と近しいところがあるのかなと思ったんですが吉川さんから、今の話を聞いて何か思ったことや、感じたことがあればシェアしていただきたいです。
吉川:確かにスタートアップが勝てるポイントって、経営陣との距離の近さや、裁量権などの限られた部分だなと思うので、情報の透明性は非常に意識している点です。もはやここ数年で「情報の透明性」って大前提になってきましたよね。
弊社では内定承諾してくれたエンジニアに、なぜ選んでくれたかをヒアリングしていて、そこから勝ちパターンを見つけようという動きを取っています。以前、オンラインでコミュニケーションを取り続けていた方に1度オフィスに遊びに来てくれませんかと誘ったことがあります。そのときに弊社のメンバーが立って挨拶してくれたのがすごく印象的だったと言ってくれたんです。
立って挨拶もしてくれるし、案内もスムーズで目を合わせて会話もしてくれるし、すごく社員の対応が良かったと言ってくれて。そこでオンラインでは自社の魅力的な情報も伝わらないなと感じました。こういった経験から最終面接までのフローの中で、必ず会社に来てもらうことにしたんです。
あと他にも弊社の勉強会を見て、和気あいあいとエンジニア同士でコミュニケーションを取っていて、仲が良さそうと思ってもらえたので、普段のコミュニケーションを見てもらうことも重要だなと思いました。
入社の決め手になった言葉や体験から広げて、候補者体験として組み込んでいくのが、ベンチャーやスタートアップの共通点なのかなと思い、お話させていただきました。
長崎:ありがとうございます。営業でも採用でも、不安や不信がない状態を作るのは本当に重要ですが、HeaRの篠村さんから感想やコメントなどありますか?
篠村:吉川さんが仰ってた、立って目を見て挨拶してくれたのが入社決定要因の一つになっているのってめちゃくちゃ素敵だなと思いました。意図的にやっていく動きも重要であるものの、素が出たのかなって思うと、心理的な余裕を持っておくことが大切だと感じましたね。余裕がないと人に対して優しくできないとか、気遣いができないってあると思うので。
候補者体験って詰まるところ、個別化だと思っていて、個人個人に合わせてお話を聞いてみる、その積み重ねなのかなって。広告ですら個別化してターゲティングしているのに、採用担当者として、個別で候補者ごとに向き合わないって悪だなと思っていたんです。
ここから私が挙げている「will×can×hope」に入っていけたらと思います。これはmixiさんがキャリア開発視点で使っているフレームワークで、リクルートさんだとwii×can×mustとかを使ってますかね。
弊社が使っている「wii×can×hope」のhopeは、会社が個人に期待していることと言い換えられると思います。スタートアップは人数が少ない分、一人一人の影響度や介入度が必然的に高くなるので、「wii×can×hope」の重なりの広さで戦っていくのが一つの戦略だと思うんです。そうなったときに候補者にしっかりと求めているものを個別で伝えられるかが大事だなと。あくまでフラットなスタンスで、会社として期待してることを伝えると言うか、マインドやスタンスみたいな話になってしまったんですが。
長崎:ありがとうございます。マインド面について阿夛さんはどんなこと意識されてるのかなと気になったのでお話し聞かせてもらってもいいですか。
阿夛:エンジニアだと会社のことに目を向けられる人材は、数が少ないと思います。なので、人事としっかりとコミュニケーションを取れる状況を作って、会社の魅力を見たり、伝えたりすることで、多少はマインドを寄せられるのかなと思いますね。
自社でもマインドの話は出てくるんですが、なかなか浸透しづらいので、なんとかしなければいけないと課題感はもっています。
長崎:さっそく「他社の採用情報や市場感の情報を取りに行くのにおすすめの方法媒体などがあれば教えていただきたいです。」といった質問がきているので、こちらは冨田さんに伺いたいと思います。
冨田:おすすめの方法は、3つぐらいあって1つ目が、求職者さんにカジュアル面談や面接の場で、何を参考にしたかや決め手、良いと思ったことを聞くことですね。
生の声で最も有力なファクトなので、もし面接の場に同席していない場合でも最後の10分だけでも時間をもらうとか、あとから電話で聞くとかでもいいので情報収集は怠らないようにするのが良いと思います。
2つ目はややグレーゾーンかもしれませんが、自分も媒体に登録してみることです。嘘ついてプロフィールを書く必要はなくて、自分自身のプロフィールを書けばマッチしていくので。登録したり、調べたり、その結果リタゲで追われてどういう広告がでているかまで見れるのでおすすめです。
3つ目が書籍です。エンジニア採用においては「作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のためのITエンジニアリングの基本がわかる本」がおすすめです。先程の篠原さんからシェアのあった本もすごく勉強になると思いますね。
長崎:ありがとうございます。すごく頷いて共感してくれていた吉川さんにもお話しを伺いたいです。
吉川:まさに候補者の方の一次情報が大事という話と、自分も媒体に登録してみるっていうのは本当にその通りだなと。
自分がテンプレートのスカウト文をもらっても嬉しくないですし、転職活動をしている人の気持ちをわかった上で送るスカウトの方が刺さるわけで。自分たちのスカウトが埋もれずに相手に届けるためには、自分で一次情報を取りに行くってのが大事だなと思い、強く頷いていました。
長崎:では、続いての質問です。「社内のエンジニアに協力してもらってるとのことですが、どのような風に協力を持ちかけているのでしょうか?地道な方法がいいなと思いますが、なかなかエンジニアが賛同してくれないと思っております。」とのことですが、阿夛さんお願いします。
阿夛:一般的に人事のみなさんがエンジニアに依頼するのってハードルが高いのかなって思います。ただ人がいなくて一番困っているのは現場のエンジニアなので、今の状況や市況感を理解できるような取り組みと、手伝ってほしいことを明文化すれば、少なくともマネジメントレイヤーの人達は協力してくれるんじゃないかなと思います。なので、状況理解と課題解決手段をどう伝えるかがポイントですかね。
長崎:ありがとうございます。「複業として仕事を依頼し、土日稼働中心の方と一緒に働くことになったら、質問が発生し、稼働が止まるなどの懸念があり、なかなか手が出ません。どのような風に活用されているかお聞きしたいです」とのことですが、吉川さんいかがでしょうか。
吉川:まずは前提として土日稼働中心とかではなく、月に何時間、週に何時間稼働できるかって話から入って、依頼をしています。業務内容については、コア業務を一緒にやっていくのは難しさがあるなと感じています。
そのため、それ以外の部分をお任せしながら一緒に働き、自社のことを少しずつ見せたり、伝えたりして、一緒にやっていきたいと思ってくれるような訴求をしています。こういった経験は3年近くやってきてナレッジが溜まったので、業務の切り分けは非常に大事かなと思っています。
1度社内で受け入れてみると、必要なことが見えてくるので、まずは入り口を開いてみるってのは一歩目として重要かなと思っています。
長崎:ありがとうございます。一回チャレンジしてみて社内にどんなインパクトが残せるか試してみるのがいいかもしれませんね。
続いての質問は「採用単価を安く抑える採用手法には何がありますか」ときていますが、スタートアップをよく支援されているHeaRの篠村さんからアドバイスをいただけたらと思います。
篠村:採用単価を安くするのももちろんですが、効率を上げるってのも一つあるのかなとは思っています。本当に無料でやるとなると、TwitterのDMはありかなと思います。
弊社で支援している企業さんだと、最初の2〜3ヶ月でアカウントを育てて、徐々にDMを送っていくみたいな流れですね。工数は掛かりますが、無料で会えるので良いですよね。
ただ大前提、ウルトラCみたいな手法は正直なくて、時間軸を少し長く見てもらって取り組むべきものだと理解してもらうのが良いかなとは思いますね。
長崎:ありがとうございます。確かに、採用単価を抑えるだけでなく、効率面も大事になってきますね。
最後の質問です。「エンジニア採用の難しさから、あの手この手でやってるが、うまくいかず。最終的に人事が提案してくれるのを、ずっと待ってしまいます。そこでエンジニアに協力を仰ぐためのセカンドステップとしてどんなことが効果的だと思いますか?」という質問です。こちらは阿夛さんにお聞きしたいと思います。
阿夛:これはエンジニア採用が難しいが、現場が一緒に動いてくれなくて困っているような状況ですかね。おそらく正社員採用をしているのかなと思います。
ここでも複業や外注といった選択肢を挙げて、それでも正社員が良いと言うなら、やはり手伝ってもらわないと難しいと伝えるのが良いと思います。
選択肢を与えたときにそっちを選ぶなら、複業や外注の方向へ向かえばいいし、それが無理と言われるなら正社員採用に向けて手伝ってもらうところを明らかにして協力してもらう。納得感のある否定だったら、ここだけは手伝ってということも言いやすいと思いますし。
あくまでこれもマインドの話になってくるので、その相手次第っていうところもあるんですが、そういった選択肢も一つかなと思います。
長崎:なるほど、ありがとうございます。
今回すべての話を通して人事とエンジニアの両方の協力がない限り、これからの採用は難しいということが主題だったなと思いました。皆さんもそこを意識してもらい、今回話であがったTipsを社内に持ち帰って変革を起こしていただけたらなと思っています。
では、今回のウェビナーは以上とさせて頂きます。みなさん、本当にありがとうございました。
全員:ありがとうございました。

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デジタル人材採用を加速するタレントプールシステム HERP Nurture
複数の求人媒体からの応募情報の自動取り込み、SlackやChatworkとの連携による現場メンバーへのスピーディな情報共有。
一連の採用プロセスをAIが支援し、候補者一人ひとりと向き合う採用へ

書類選考・面接・評価など、一連の採用プロセスをAIが支援。
候補者との対話や意思決定により時間をかけられるようにします。