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【JR西日本×HERP】「大企業を内から変革する」前例のないデジタル人材採用の挑戦

投稿日:2024/9/4

更新日:2024/9/19

【JR西日本×HERP】「大企業を内から変革する」前例のないデジタル人材採用の挑戦

2020年11月、鉄道を中心とした事業を展開する西日本旅客鉄道株式会社(以下:JR西日本)に、デジタル戦略の根幹を担う部門、デジタルソリューション本部が発足。『WESTER』をはじめとする新サービスの提供や、社員の働き方を支えるためのシステムインフラ基盤の構築などを行っています。

この部門のデジタル人材採用を加速させるため、2023年7月にHERP社が提供する採用管理システムを導入いただきました。

導入後はHERPが有する採用ノウハウを存分に生かし、一気通貫で採用活動をサポート。その結果、目標としていた採用人数を達成するだけでなく、「既存社員までもがいきいきと働ける環境を実現できた」と、好評のお言葉をいただいています。

そこで、JR西日本さまがHERPを選んだ理由をはじめ、どのような採用課題をどう乗り越えていったのかを、デジタルソリューション本部の高本さんと、HERPの取締役の河井との対談形式でご紹介します。

本記事の登場人物

デジタルソリューション本部 DX人財開発室長 高本 浩明さん

1969年生まれ、大阪府出身。大学卒業後、1993年JR西日本に入社、米子支社鳥取駅、支社間接部門を経て、2001年から本社へ。本社では、総合企画本部でJR西日本お客様センター立ち上げ、J-WESTカード・ICOCA電子マネー・山陽新幹線EX-IC等を主担当として立ち上げ。2008年からは営業本部、駅業務部にて、関西公民鉄とのICOCA連携、交通系ICカード全国相互利用、改札口・みどりの窓口のコールセンター対応(みどりの券売機プラス導入)、みどりの窓口の販売体制見直しを主導。2023年4月より現職、「JR西日本グループデジタル戦略」の柱の一つである「従業員体験の再構築」をけん引し、働き方改革とDX人材の育成・リテラシー向上を推進。

HERP 取締役 河井 龍太郎

新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。製造業などでの経営コンサルティング業務を経験し、2018年8月より総合商社の事業部で経営企画を担当。マッキンゼー復帰を経て、2020年8月にHERPへ参画。2023年3月より現職。基幹事業である、デジタル人材採用を加速する採用管理システム「HERP Hire」・タレントプールシステム「HERP Nurture」の事業責任者およびプロダクトオーナーを務める。

JR西日本の変革に必要だった「横串」の機能とデータ活用を担う新部署の発足

河井:本日はよろしくお願いいたします。まずは読者の方向けに、JR西日本の中でデジタルソリューション本部が設立された背景から伺えますか?

高本:当時の感覚としては、やはり新型コロナの影響が大きかったと思っています。

当社はJRグループの中でも鉄道事業の一本足打法でやってきた会社で、コロナ禍にはそれはもう大きな打撃を受けました。さらに鉄道のご利用が少なくなったことでショッピングセンターやコンビニ、ホテルなどを運営していたグループ会社も軒並み大きな影響を受け、「鉄道事業に委ね過ぎていた」と反省せざるを得ませんでした。

そこで、「何か新たな領域に挑戦しなければならない」となった時に、鉄道ならではの豊富なデータが存在している点に目を付けたわけです。鉄道会社ですから、駅の乗降数をはじめ、定期券やICカードのデータなど、山ほどのデータが存在していました。

鉄道は「人と人」「地域と地域」をつなげる大事なツールですが、これを「データとつながる」という価値に考えると、やはり答えはデジタルしかないと考え、新たな領域に挑戦するために、デジタルソリューション本部が立ち上がったと理解しています。

JR西日本 高本さん
JR西日本 高本さん

河井:とはいえこれまで鉄道事業をメインでやっていたところから本格的なデータ活用に踏み切るとなると、大きな変化を強いられたのではないでしょうか。

高本:そうですね。まず先ほども申し上げた通り、データは豊富にあるものの、活用するための整備がされていなかったのです。

例えば、鉄道に乗っていたお客さまがどこかの駅で降りてコンビニで買い物をするとしますよね。その場合同一人物なのに、われわれは“別のお客さま”として数えていたのです。極端にいえば新幹線のお客さまが途中で特急列車に乗り換えたとしても、われわれの中では別カウントになるのです。

このように本来つながるべきデータが1つ1つばらばらに存在している状態で、これをいかにしてつなげていくかが最大の課題でした。

とはいえさまざまなデータを持つそれぞれの部署が各々仕事を極めている中で、これをつなげていくというのは非常に難しい。だからこそデジタルソリューション本部には、組織と組織の横串を通すといった役割が強く求められました。

河井:なるほど。そうした新たな組織をつくる上で、当時どんなことが課題になったのでしょう?

HERP 河井

高本:課題はたくさんありました。まず、育成のノウハウがなかったこと。鉄道会社ですから駅社員や設備保全の社員を育成するノウハウはあったのですが、横串を通すといったことの経験値が薄かったのです。

それからHERPさんにお手伝いいただいた採用関係。当社は新卒入社の社員がほとんどで、中途採用の経験も少なければ、他の会社の空気を知らない、同じような経験を積み重ねてきた人が集まっている会社でした。そんな環境なので、今のやり方こそ慣れ親しんだやり方であり、「変えていこう」という機運もなかなか上がりづらいわけです。

こんな状況から突然2022年の夏ごろに「採用と人材育成をやってくれ」と言われ悩んでいた中で、たまたまHERPさんと出会うことができたのは、今思えば本当にツイていたなと思いますよ。

河井:ありがとうございます。われわれとしてはこれまでスタートアップ企業を中心にデジタル人材採用のご支援を行ってきましたが、「採用を変え、日本を強く。」という企業ミッションを追う中では、御社のような大手企業さまの採用成功を支えることでしか実現できない変化もあると強く感じています。

大企業ならではのデータやアセット、社会的信頼…そういったものがあって初めてできる新しい事業や人々の生活の変わり方が、まだまだ眠っている。そういったチャレンジに、より素早く向かっていただきたいという思いで、直近HERPでは大手企業さまの採用支援にも力を入れ始めました。

弊社としてもチャレンジングな領域ではあるのですが、スタートアップや大手企業さま、公共セクターのお客さまのご支援をさせていただく中で感じているのは、「デジタル系人材の採用成功に必要な本質はあまり変わらない」ということ。

求職者が圧倒的に優位な状況の中で、どうしたら選考活動中に求職者に選ばれる候補者体験を提供できるか。これが、企業規模に関わらずデジタル系人材の採用を成功させるために普遍的に重要であると考えています。

 

一気通貫の支援がかなえた候補者体験と、慣例からの脱却

高本:確かにHERPさんの支援を受ける中で、「候補者体験」を特に重視しているのが伝わってきましたね。

それこそ今回HERPさんにお願いした際、当時のご担当に「うちの会社のように給与も制度も至らないところが、引く手数多のデジタル人材を集めることなんてできるのでしょうか」と伺ったのです。そうしたら、「そのための魅力を僕らが引き出します」と言ってくれました。

実際、取り組みをスタートさせたタイミングで実際にプロジェクトに携わっている社員にヒアリングをしていただき、当社の最前線の人間が自分の仕事にどんな誇りを持っているのかというところを、時間をかけて探っていただいたのです。そこで巨大なインフラ企業ならではの世の中への貢献度やプライドといった魅力を改めて明確化していただきました。

このおかげでみんな面接時に自社の魅力を自信を持って語ることができましたし、実際に入社してくれた人の中にもこの部分を魅力に感じてくれた方が多いようです。それだけでなく、ヒアリングを受けた社員も「日々忙しい仕事の中でこうした思いを忘れてしまっていたけれど、初心に返ることができ非常に良い体験だった」と言っていました。

河井:それは光栄です。われわれとしてはこれまで、採用広報や候補者管理など、採用活動の一部をご支援させていただくことはあったのですが、一気通貫でのご支援は実はJR西日本さまがほとんど初めての挑戦だったんですよ。

一気通貫で支援させていただくからには、パーツパーツの支援の際はあまり気にしなくていい部分にも気を配らなくてはなりません。例えば中途入社された方がその後しっかりオンボーディングできるのか、制度の部分まで考える必要がありますし、広報においても入社いただいた人数だけではなく、どれだけ優秀な人に入社いただけるかを見据えて取り組む必要があります。

そうした中で、当初はどんなコミュニケーションが求められているのか、課題がどこにあるのか探りながらの部分もあったのですが、最初のヒアリングをさせていただいたことによって、ご支援の道標が明確になったと感じていました。

高本:「一気通貫」という点では、最初にステップやスピード感を示していただいたことは非常にありがたかったですね。

われわれはどうしてもスタートアップなどと比べると決断や動きに時間がかかる会社です。でも、採用の各局面において課題が顕在化する前に注意喚起をしていただいたことで、関係部署との調整などもこれまでに比べてかなりスムーズに進めることができたと感じています。

スケジュール面では「〇曜日までに出したものは△曜日までに回答する」などのルールを決めたり、最後のオファー部分も、面接の早い段階から「仮に採用する場合の条件はこのくらい」というのを早めに出して時間短縮したり。

賃金面に関しても、中途入社向けの基準がなかったところから、HERPさんにフォローいただいたおかげで、一定の基準を整理し提示することができるようになりました。

これまでは明確な制度がなかったので慣例的なものに縛られてしまっていたのですが、今回の採用活動を通じてその慣例は間違いなく打ち破ることができた気がしています。おかげさまでデジタルソリューション本部が社内で最も中途採用の実績を積むことができたので、これが今後会社全体に広がり、いずれ大きな変化につながっていくことを期待しています。

中途入社者が生む化学反応と、変革へのエネルギー

河井:今回のご支援の中で、HERPとして候補者さまへのヒアリングなども行っていましたが、御社に対して「良い意味でイメージと違った」といったことを仰っていた方が非常に多いと感じていました。ここについてはやはり早め早めの動き出しによって、より良い候補者体験を実現することができた部分が大きかったと思っています。

加えて、面接官の方が自社の魅力を自信を持ってお伝えできたことも非常にポジティブに働いたのではと感じていますね。

高本:そうですね。HERPさんに採用いただいたことによって、われわれ自身も自分たちの魅力に気が付きましたし、その魅力をより強めていきたいという機運も高まってきています。

それから入社してくれた方も、デジタルソリューション本部の柔軟性や機動力、エネルギーを実感いただいている様子で、「意思決定のスピード感が早い」とか、「大企業だけど中身はスタートアップのようだ」と仰っていただいているのです。これは本当に、HERPさんによくアナウンスをしていただいた結果だと思っています。

加えて皆さん、ものすごく生き生きと楽しそうに働いてくれています。中途入社の彼らを見て、周囲の仲間も「自分の仕事が楽しいことなんだ」と改めて感じています。社内のエネルギーがどんどんと高まっていると思いますし、非常にいい影響をもらっています。

河井:HERPとして今回のご支援を通じて感じたのは、やはり企業の採用活動にとって重要なのは、「求職者側のフィードバックをどれだけ鮮度高く受け取れるか」だということです。

今回は社員さま向けのインタビューに加えて、見込み候補者さまや、実際の選考プロセスを受けた方向けに弊社の立場からヒアリングをさせていただき、それをレポート結果として共有させていただくことで、採用プロセスのPDCAを回していました。

とはいえやはり一般的には、辞退や不採用になった方の本音を企業が知ることは難しい。でも、これらの情報をなんとかして集めてくることにより、採用活動がより良いものになるというポテンシャルを実感できて、弊社としても非常に学びがありました。

採用活動ではさまざまなステークホルダーが存在し、非常に複雑で難易度の高いコミュニケーションが求められます。HERPとしてはそうしたコミュニケーション全体のサポートをさせていただきつつ、引き続き信頼されるパートナーとして、一気通貫のご支援をさせていただければと考えています。

高本:現在デジタルソリューション本部は300名くらいの組織になり、多くの方に中途採用で加わっていただいています。今の組織はものすごく発見が多くて、日々刺激的で、エキサイティングな職場になってきました。

とはいえ中途入社者用の人事制度やキャリアステップなどはこれから作り上げていくところもあり、まだまだチャレンジや変革が必要です。加えて、やはりデジタル人材の採用は最先端の分野なので、この先も組織として変化をしていかなければならないと感じています。

そういう意味では、1年後くらいにまたHERPの皆さんにヒアリングをしていただいて、われわれの気付かない良いところや課題を発掘してもらい、発信していただけると助かりますね。

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