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「対等なパートナーとして」プロジェクト伴走。前例なきデジタル人材採用PRに挑んだ東京都のHERP採用コンサル事例

投稿日:2024/1/24

更新日:2024/1/24

「対等なパートナーとして」プロジェクト伴走。前例なきデジタル人材採用PRに挑んだ東京都のHERP採用コンサル事例

売り手市場が続くデジタル人材の採用現場。IT企業のみならず、DX推進を成長戦略に据える様々な業界業種の企業がひしめき合う中で、自社に前例やノウハウがなく採用に苦戦する担当者は少なくありません。今回ご紹介する東京都デジタルサービス局も、デジタル人材の採用に奮闘する組織の一つでした。

中でも同庁の課題は「公的機関ながら多様なデジタル人材を採用している」という認知度の向上。そこで東京都では、デジタル人材採用情報のPR戦略プロジェクトを立ち上げ、民間企業にも協力を仰ぎました。

その結果、個社ニーズに合せた採用オペレーション設計やノウハウの提供、プロジェクトマネジメントを得意とするHERPが、本プロジェクトを東京都から受注。東京都の協業パートナーとして、ペルソナ設計のための定性/定量調査や事例調査からスタートし、コンセプト設計、訴求要素等の整理を経て、東京都の“情報発信の武器”となるWebサイトPR動画をローンチしました。

前例のない東京都デジタル人材の採用PR戦略策定にHERPと伴走して挑んだ長岡翔平さんと水落美鳳さんに、HERP採用コンサルティングの導入背景や成果についてお話を伺いました。

デジタルサービス局 総務部 デジタル人材戦略課 デジタル人材戦略担当課長 長岡翔平さん

大学卒業後、IT企業に入社。コンサルタントやプロジェクトマネージャとして活動しながら、技術部門のマネージャーとして組織をリード。2019年より東京都に入庁し、デジタル領域の人材戦略や組織戦略、事業マネジメントなどを担当。

デジタルサービス局 総務部 デジタル人材戦略課 デジタル人材採用担当 水落美鳳さん

大学卒業後、東京都に入庁。都立高校の学校事務、東京オリンピック組織委員会への出向を経て現職。デジタル人材採用事業の担当として、PR施策の検討やイベントの企画運営、各種調整などを行っている。

都庁のデジタル人材採用で直面した“前例なき課題”

――東京都のデジタル人材採用の現状について教えてください。

長岡: 都政のDX推進を加速していくため、複数の雇用形態や採用区分を設けて、さまざまなデジタル人材が活躍できる機会を作っています。

その中でも最もコアな役割を担うのが、いわゆるプロパー職員である「ICT職」です。2021年に採用を開始して、現在では約150名が在籍しています。

また、デジタルスキルを体系化し、一人ひとりの現在地を可視化するため、22のスキル項目と10種類のジョブタイプで構成する「デジタルスキルマップ」を導入しました。

(引用:#シン・トセイ 都政の構造改革推進チーム(東京都 公式)note

このデジタルスキルマップを活用することで、組織全体におけるデジタルスキルの供給力を把握した上で採用計画を策定するなど、戦略的な採用・育成に繋げています。

――採用の土台となる部分は整理されていたのですね。では今回新たに採用情報PRプロジェクトを発足されたのはなぜでしょうか。

長岡:東京都は、従来の公務員採用においては一定のプレゼンスがありますが、デジタル人材採用に関しては始まったばかり。デジタル人材の方々に、行政というフィールドでも活躍できる機会を知っていただくことが最大の課題であり、それがこのプロジェクトを立ち上げた大きな要因です。

水落: さらにデジタル人材と言っても、都庁内に様々な種類の求人があるため、これらを分かりやすく整理して伝えることも課題でした。新卒採用のほか、例えば最長5年の雇用期間でスキルの高い方に関わってもらったり、副業的に働いてもらったりする非常勤での採用もやっていたのですが、その情報は求人サイトに一時的に掲載されるだけでした。

求人が閉じてしまうと情報が見られないため、都庁の職種や働き方の情報が一元化された採用サイトの必要性を感じていました。一元化されたページがないことは、庁内の担当はもちろん上層部も課題感を持っていましたね。

――プロジェクトを遂行する上で、都庁内だけでは特に不足していたことは何ですか。

水落:自前の広報だけでは、認知度の向上に限界を感じていました。情報を発信する上で特設サイトを立ち上げたり、広告配信をしたり、我々だけでは実現できないところで力を借りたいと考えました。

長岡: 私たちは、従来の公務員採用においてはノウハウの蓄積がありますが、デジタル人材を対象とした採用活動は、正直、手探りの状況でした。

ましてや売り手市場の傾向が続き、民間企業もしのぎを削る中で、デジタル人材に対して東京都の存在感を継続的に示していく必要がありました。

そういった中で、デジタル人材の採用マーケティングに強みがあり、行政での実績もあるHERPさんがパートナーとして参画してくれたことは、とても心強かったですね。

水落:取組が具体的にスタートしたのは、今年度になってからですね。都庁内からは私たちを含め4人が担当として参加し、HERPさんと合同で「デジタル人材採用情報PR戦略プロジェクト」を立ち上げました。

スピーディな定性/定量調査をもとにコンセプトを設計

ーー皆さんの課題意識からプロジェクトがスタートされたのですね。実際にはどのように進められたのでしょうか。

長岡:まずは職員へのインタビューやアンケートなど、定性・定量の両面から調査を行い、都におけるデジタル人材採用の現状を把握しました。

さらに、ペルソナ候補へのインタビューや競合調査などを行った上で、課題整理やコンセプト設計を実施し、戦略策定や具体的な施策立案を進めていきました。これら全ての過程で、HERPさんが常にプロアクティブにサポートしてくれました。

その中でも特に印象的だったのはICT職向けのインタビューですね。HERP担当者さんのインタビューがあまりに上手くて衝撃を受けました。

おかげさまで、入庁したきっかけやICT職としてのやりがいなど、深い価値観まで分け入ってコメントを引き出すことができ、後続の検討にとても有益なインサイトが得られました。

水落:インタビューの時間は、我々としても発見がとても多かったですよね。皆さんの熱い想いをしっかり言語化されていたことが、とても印象的でした。

これまでは採用側に課題感があってもそこには裏付けがなくて、自分たちで考察しながら施策を進めていたんです。それをアンケートやインタビュー、定量調査を行ったことで、様々なデータをもとに議論ができるようになったのは大きな成果でしたね。

意思決定プロセスにおいても、調査結果を基に施策の必要性・方向性を説明できるので、誰もが納得しやすくスムーズに庁内での調整を進められるようになりました

そして調査結果に基づいたペルソナやコンセプトの設計、訴求要素やサイト設計の整理などを経て、当初の予定通り10月末に採用PRの特設サイトをリリースすることができました。

(引用:東京都プレスリリース

採用PR施策でインターナルコミュニケーションにも好影響

ーーHERPが伴走したとはいえ、前例のない採用PRに挑戦する苦労もあったかと思います。

水落:そうですね。我々としても学生の就職活動の時期に合わせて急いでサイトをオープンしたいと思っていたので、スケジュールが間に合ったことにはひとまずほっとしました。

HERPさんには全ての工程において、短期間で品質の高い成果物を作っていただけてとてもありがたかったです。

早速説明会やイベントでサイトの案内をしたり、コンセプトムービーを再生したり、大いに採用PRに活用しています。

東京都デジタルサービス局 採用ブランディングムービー

ーー実際にサイトや動画を見た方からの反響はいかがでしたか?

水落:意外と庁内からの反響が大きかったです。「良い意味で公務員っぽくないね」と。

「採用に直結しないイベントでもムービーを流したい」と言ってもらうこともあり、徐々に認知も上がっている印象です。

長岡:そうですね。私も庁内のICT職から、「インタビューを見てモチベーションが上がった」、「同僚の仕事を知ることができて良かった」などの声が届いていて、インターナルコミュニケーションの観点からも良い影響があったと感じています。

また今回はタイトなスケジュールの中でも、メインコピーには特にこだわりました。「東京で、変革の最前線を走れ。」というコピーで、これに対しても都庁内外から好反応をいただけて、嬉しかったですね。

水落:副次的な効果は大いに感じますよね。採用PRの施策ではありますが、結果的には組織にも良い効果があり、庁内でのキャリアパスをイメージするきっかけになりそうだというのは新たな視点でした。

対等なパートナーとして「外から見た都庁」を分析・提案

――庁内でも高い興味関心を持ってもらえたのはとても良い効果でしたね。今回のHERPとの協働を通して、お二人の仕事に対する意識やスタイルに変化はありましたか?

水落:相手の立場に寄り添ったヒアリングや調査を行うことで、より良いサービスを提供できるというのは、私にとって大きな学びとなりました。

東京都のデジタル人材採用は、職種や働き方も様々で制約も多く、おそらく民間の求人とは違うところが多々あります。それでもHERPさんは我々の立場に寄り添って、とても丁寧にヒアリングしてくださって。私たちの考えがしっかり伝わった上で、複数ご提案をもらった結果、素晴らしいアウトプットを出していただけました

そんなHERPさんの姿を見て、私も今回の採用PRに限らず、求められている行政サービスに対して職員は何をするべきなのかを考え続けていくことが、より良いサービス作りに繋がるのだと感じられました。

長岡:パートナーとして常に対等の関係性で、時には意見をぶつけ合いながら、「こと」に向かって協働できたのは本当にありがたかったですね。そういったプロフェッショナル精神を自分も忘れちゃいけないなと、いつも刺激を受けていました。

水落:「東京都が言う通りにやります」とアウトプットを出すのではなく、同じ目標を持ってくれていたからこその提案でしたよね。我々にはない「外から見た都庁」の視点をうまく入れていただけました。

ーーそう言っていただけるととても嬉しいです。長岡さんは前職では民間でプロジェクトを進められていましたが、ご自身の今までの経験とは別の視点も増えましたか?

長岡:そもそも採用マーケティングの実務経験は無かったので、プロジェクトの一連の活動全てが新しい経験でした。

書籍などで理屈は勉強していても、実践の場では教科書通りにはいきません。例えば、プロジェクトの特性に合わせた候補者ペルソナの粒度設定や、アジャイルな広告配信運用など、全てが実践を通した学びに繋がりました。

また、そこでHERPさんというプロフェッショナル集団と協働できたことは、個人の経験という意味でも、本当に恵まれていたなと思います。

“正直な情報発信”で日本の行政DXに貢献したい

ーープロジェクトで目標としていたサイト公開は達成しましたが、今後についてはどうお考えですか?

水落:あくまで最終目標は、選考応募者の増加です。年に一度の公務員試験に向けて、インタビュー記事や動画を継続的に更新しながら、引き続き情報発信を強化したいと考えています。

デジタル人材獲得が難しい中でも、嘘はつかずに正直に現状を発信していくことが大事だと思っているので、“職員の顔”が見えるような情報発信を続けることで、一人でも多くの方に「都庁って面白そう」と思ってもらえたら嬉しいですね。

長岡:そうですね、いわゆるキラキラしたプロジェクトだけではなくて、縁の下の力持ちのような、“いぶし銀”な仕事をしているスペシャリストたちもたくさんいるので、みんなにスポットライトを当てていきたいです。それを都庁内外の方々に知ってもらえるように発信を続けていきたいですね。

また個人的な使命感として、これから日本においてデジタル人材の不足が深刻化する中で、人材の獲得競争だけを展開していてはいけないと考えています。

例えばリスキリングプログラムなどを通じて、デジタル人材の供給を増やすことにも同時に目を向けていきたいです。

最後に、都庁だけでなく、全国の自治体などの団体で、デジタル人材が働く機会が増えてきていることを、多くの人に知ってもらいたいですね。

もちろんその中で東京都に興味を持って応募してもらえたら最高ですが、この特設サイトをきっかけに日本中のデジタル人材の方々が行政というフィールドで働く機会があることを知り、いろんな団体に入り込んで、日本全国で行政DXが加速していくことを願っています。

東京都デジタル人材採用情報サイト

https://www.digital-recruit.metro.tokyo.lg.jp/

採用情報一覧

https://www.digital-recruit.metro.tokyo.lg.jp/job/

※本プロジェクトは株式会社HERPが企画・総合ディレクションのもと、FunTech株式会社、株式会社PRTableと共同でご支援いたしました。


今回は、HERPが支援を行った東京都さまのデジタル人材採用PRプロジェクトに関してインタビューさせていただきました。HERPでは、採用における各企業特有の課題や悩みに応じて、デジタル人材採用管理システム「HERP Hire」の開発および運営を通じて蓄積した知見を活用し、採用コンサルティングサービスを提供しています。採用に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

https://lp.herp.cloud/consulting

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