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採用ノウハウ


採用AIにどこまで任せる?迷いを解消する役割分担の最適解と、HERPでの活用事例

投稿日:2026/1/16

更新日:2026/1/15

採用AIにどこまで任せる?迷いを解消する役割分担の最適解と、HERPでの活用事例

「AIを導入すれば、毎日の採用業務がもっとスムーズに進むだろう」と期待している方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。その一方で、「合否に関わるような判断をAIに頼ってもいいのか」といった迷いや、「候補者の方に失礼にならないだろうか」という不安を感じることもあるかもしれません。

私たちHERPでは、自社の採用活動の中で実際にAIを何度も活用し、どのような使い方が効果的なのかを試行錯誤してきました。その経験を通じて分かったのは、AIに任せたほうがうまくいく仕事と、やはり人間が担当すべき役割は、はっきりと分かれているという点です。

今回は、私たちの実体験から見えてきた、採用におけるAIと人間の上手な役割分担のあり方についてお話しします。

採用×AI、期待と不安の両方がある

採用の現場にAIを取り入れることについては、期待する声がある一方で、不安を感じる方もいらっしゃるようです。

期待される点としては、これまで事務作業にかかっていた時間を減らせることや、担当者によって進め方がバラバラになってしまう状態を防げることが挙げられます。また、人によって評価基準がズレてしまうのを抑えるといった、公平さを保つための役割も期待されています。実際にAIには、こうした課題を解決できる可能性があります。

その一方で、根強い不安もあります。「AIの判断に偏りが出てしまうのではないか」「候補者の方が『機械に選別されている』と不快に思わないか」といった心配です。大切な「採用」という仕事だからこそ、機械任せにして良いのかと迷うのは、ごく自然な反応だといえるかもしれません。

メリットばかりを見て導入を急ぐのも、反対に不安だけを感じて遠ざけてしまうのも、どちらも極端すぎて良い結果にはつながらないように思います。 大切にしたいのは、どの作業をAIに任せて、どの部分は人間がしっかりと担当するのか、その役割の分け方を丁寧に見極めることだと考えています。

AIに任せてうまくいく領域

まず、AIが得意なことを整理します。私たちが実際に使ってみて「これはAIに任せたほうがいい」と感じた領域です。

大量の情報を整理・要約する

採用の現場では、日々非常に多くの情報がやり取りされます。候補者の方の経歴だけでなく、面接での受け答えや、複数の面接官による評価、過去の選考記録など、その内容は多岐にわたります。これらすべてを人の力だけで整理しようとすると、どうしても大事なポイントを見落としてしまうことがあるかもしれません。

AIは、こうした情報を素早く整理して、要点をまとめる作業が得意な分野です。 例えば、1時間にわたる面接の内容を数分で読める短い文章にまとめたり、複数の担当者が書いた評価から、意見が一致している部分と異なっている部分を抜き出したりすることができます。こうした情報の整理については、AIの力を借りることでより効率的に、そしてミスを抑えて進められるようになります。

定型的なアウトプットの「たたき台」を作る

採用の仕事の中には、手順は決まっていても、実際にやろうとすると意外と時間がかかる作業が少なくありません。 例えば、面接の評価をまとめたり、次の担当者に内容を引き継いだり、人材紹介会社へ状況を報告したりすることです。また、内定の際にお渡しするオファーレターを作るのも、一人ひとりに合わせて書こうとすると、かなりの労力が必要です。

こうした文章を、何もない状態から書き始めるのは、やはり骨が折れるものです。 そこで、AIに「下書き」となる案をあらかじめ作ってもらうことで、担当者はその内容が正しいかどうかを確かめ、必要に応じて手直しをすることに集中できるようになります。

「白紙の状態から文章をひねり出す」のと、「提示された案をより良いものへ磨き上げる」のとでは、かかる時間も心のゆとりも、大きく変わってくると感じています。

「聞き忘れ」「確認漏れ」を防ぐ

面接で予定していた質問をし忘れてしまったり、評価のルールを見落としてしまったりすることは、忙しい採用の現場ではどうしても起こり得ることです。また、前の面接で話題に上った心配な点について、次の担当者へうまく引き継げていなかった、という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

AIは、こうした情報の抜け漏れを防ぐための、心強いサポーターとしても役立ちます。 例えば、あらかじめ決めておいた評価の基準と照らし合わせて、「この項目についてはまだ確認できていないようです」と教えてくれます。また、これまでの記録を振り返って、「前回の面接では、こんな課題が挙がっていました」と注意を促してくれることも可能です。

どれだけ気をつけていても、人間一人の注意力が及ぶ範囲にはどうしても限りがあるものです。情報のチェックをAIに手伝ってもらう仕組みを作ることで、より丁寧で正確な選考を進められるようになると考えています。

人間がやるべきこと ─ AIには任せられない領域

一方で、AIに任せてはいけない領域もあります。私たちが「ここは絶対に人間がやる」と決めている3つのことをお伝えします。

最終的な意思決定と、その責任を持つ

「この方を採用する」あるいは「今回は見送りとする」といった最終的な決断は、必ず人間が行うべきだと考えています。

AIは、手元にある情報をもとに「この方は募集要件に合っています」「ここが少し気になる点です」といった分析を伝えることは得意です。しかし、その分析結果をもとに決断を下し、その後の結果にまで責任を持つことは、AIにはできません。

採用は、候補者の方の人生を左右するかもしれない、非常に重い決断です。その責任を「AIがそう判断したから」という理由で避けてしまうことは、あってはならないことだと感じています。最後の判断を自分たちで下し、その結果をしっかりと受け止める役割だけは、決して譲れない大切なルールとして守っていきたいと考えています。

言葉の裏にある「本音」を読み取る

面接の場で候補者の方が話す、転職の理由や志望動機についても考えてみましょう。 AIは、発せられた言葉をそのままデータとして受け取ります。例えば「もっとスキルを磨きたい」と言われれば、その言葉の通りに記録を残します。

しかし、人間であれば、相手の表情や声のトーン、話の流れの中での言い淀みなどから、言葉の裏側にある気持ちを感じ取れることがあります。「キャリアアップと言っているけれど、実は今の環境で何らかの壁にぶつかっているのかもしれない」といった、背景にある本音に気づけるのは、人間ならではの強みです。

こうした、言葉には表れない相手の心理を深く汲み取る力は、多くの経験を積んだ採用担当者だからこそ発揮できる技術といえます。AIがどれほど進歩しても、こうした感覚的な部分は、やはり人間が担うべき大切な領域だと考えています。

熱意を伝え、候補者を口説く

内定が決まった際、「あなたと一緒に働きたい」という真っ直ぐな思いをどのように届けるかは、重要な意味を持ちます。 同じように、面接の場で相手が興味を持っていることに合わせて、自社の良さを丁寧にお伝えすることも欠かせません。これらは、採用において非常に大切な部分です。

情報の整理については、AIに手伝ってもらうことができます。例えば、「この方はこういった環境を求めているので、自社のこの取り組みを詳しく伝えると喜んでもらえそうです」といった、客観的な分析や提案はAIが得意な分野だといえます。

しかし、その提案をもとに、心からの熱意を込めてお話しできるのは人間だけです。入社を決める理由は、条件や理屈だけではありません。「この人たちと一緒に働きたい」「この会社で新しい一歩を踏み出してみたい」といった、相手の心を動かす力を持っているのは、やはり生身の人間の言葉や、真摯に向き合う姿勢なのだと感じています。

HERPの採用チームが実践していること

ここからは、私たちが自社の採用で実際にやっていることを紹介します。

「伝聞」から「一次情報」へ

以前の採用フローでは、面接官が書いたメモを頼りに内容を共有していました。ただ、メモにはどうしても書いた人の主観や要約が入ってしまいます。そのため、どうしても「候補者の方はこう言っていました」という伝聞情報として伝わっていました。

AI導入後の現在は、面接のやり取りがそのまま記録された書き起こしがあるため、実際にどのような話をしていたのか、いつでもありのままの内容を確かめられます。

例えば、人材紹介会社へ見送りの理由をお伝えする場合、以前は「コミュニケーション能力に少し不安がありました」といった、どうしても曖昧な説明になりがちでした。 今は「こういう質問に対して、このように答えられていました。その内容を受けて、私たちはこう判断しました」と、具体的な事実を添えてお伝えできます。

人から聞いた話ではなく、実際にあったやり取りに基づいて話し合えるようになったことで、社内でも社外でも、より納得感のあるコミュニケーションができるようになりました。

評価のキャリブレーション(目線合わせ)に使う

どの会社でも、面接官によって評価が分かれてしまうことは珍しくありません。ここで一番の問題になるのは、「どうして意見が食い違ったのか」を後から確かめるための具体的な手がかりが残っていないことです。

対象の候補者の一連の選考ログがあれば、「候補者のこの発言を聞いて、Aさんはポジティブに感じたが、Bさんは懸念を抱いた」といった踏み込んだ話し合いができるようになります。これはどちらが正しいかを決めるためではなく、チーム全体で「自社ではこの発言をどう捉えるべきか」という評価の目線をそろえるために、とても役立ちます。

特に新卒採用のように選考が数ヶ月にわたる場合、何ヶ月も前に行われた面接の内容を細かい部分まで正確に思い出せることは、その後の判断を支える大きな助けになるはずです。

AIの分析に「違和感」を持ったら、立ち止まる

私たちの採用チームで、実際に行われたやり取りをご紹介します。 あるとき、AIが非常に高い評価を出した候補者の方がいました。AIが示した分析理由は論理的で、一見すると非の打ち所がない内容でした。しかし担当したメンバーは、その評価を見ても「何か違う」という感覚を拭えませんでした。

メンバーは、その違和感を単なる主観として片付けるのではなく、「AIが学習データとして持っていない『非言語情報』や『文脈』にこそ、重要なヒントがあるのではないか」と考えました。そこで、違和感の正体を言葉にするべく、改めて本人に追加のヒアリングを行ったのです。

AIの回答を「正解」とするのではなく、あくまで一つの判断材料とし、AIには見えない人間ならではの機微を含めて総合的に見極める。こうした「AIと人間の視点の補完関係」こそが、これからの活用において欠かせない心構えだといえそうです。

AI時代に求められる採用担当者の役割

AIが情報の整理や下準備をサポートしてくれるようになると、採用担当者の役割はどのように変わっていくのでしょうか。 私たちの実感としては、仕事がなくなるのではなく、むしろ「本当に時間をかけるべきところが、より明確になる」というものです。

AIが事務的な作業を引き受けてくれることで、担当者は本来大切にすべき業務に専念できるようになります。 例えば、候補者の方と直接お話しする時間を増やしたり、一人ひとりの経験に合わせたメッセージの内容をじっくり考えたりすることです。また、最終的な判断を下すために、集まった情報を深く読み込むことにも、もっと集中できるようになるはずです。

LinkedInのレポートによると、リクルーターの必須スキルとして「人間関係構築(Relationship Building)」を挙げる求人が、過去1年で54倍に増加したと報告されています(Future of Recruiting 2025)。

AIが身近になるほど、人にしかできない心の通ったやり取りの価値は、これまで以上に高まっていくのではないかと考えています。

HERP AI Recruiterが目指していること

私たちが提供している『HERP AI Recruiter』は、ここまでお伝えしてきた「AIと人間の役割を分ける」という考え方を、そのまま形にしたツールです。

「AIに判断をすべて任せる」のではなく、「人間がより良い判断をするための準備をAIが整える」という考え方を大切にしています。 面接のやり取りを文字に起こしたり、内容を短くまとめたり、評価や引き継ぎのための下書きを作ったりする機能は、すべて「情報の整理」や「事前の準備」を助けるためのものです。最終的な合否の決断はあくまで人間が行うことを前提として、その手前にある手間のかかる作業をAIが引き受けてくれます。

また、採用管理システム『HERP Hire』と連携し、候補者の方の情報が自動でAIに共有される仕組みになっています。わざわざ別の画面から情報をコピーして貼り付ける手間はありません。普段の業務の流れを止めることなく、自然な形でAIのサポートを受けられるのが特徴です。

私たちが目指しているのは、採用担当の方が、一人ひとりの候補者の方とじっくり向き合える環境を作ることです。 単に作業を楽にすることがゴールではありません。事務的な作業が減って生まれた余裕を、候補者の方との対話や、信頼関係を築くための時間に充ててほしいと考えています。その結果として、候補者の方にとっても企業にとっても「この会社を選んで良かった」と思えるような採用を実現したい、というのが私たちの願いです。

まとめ

採用の場でAIを使うときは、「すべてをAIに任せる」か「一切使わない」かのどちらかを選ぶ必要はありません。

情報の整理や要約、文章の下書き作り、そして抜け漏れによるミスを防ぐためのチェックといった作業は、AIに任せることで高い精度と効率化を期待できます。一方で、最終的な合否の判断やその結果への責任、相手の言葉の裏にある本音を汲み取ること、そして自社の魅力を心を込めて伝えることは、人間にしかできない大切な役割です。

こうした役割の分担がはっきりすれば、AIは自分たちの仕事を奪うような存在ではなく、チームを支えてくれる心強い味方になってくれます。 AIに任せられるところは任せ、その分、空いた時間を候補者の方としっかり向き合うために使う。こうした、人が人だからこそできる仕事に集中できる環境を広げていきたいと、私たちは考えています。

サービスの詳細はこちらをご覧ください: HERP AI Recruiter サービスサイト

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