HERP Lab


すごい会社のすごい本業大解剖!


デジタル庁の今 vol.3行政データの共通化、手続きのデジタル化への挑戦

投稿日:2021/7/4

更新日:2023/7/13

デジタル庁の今 vol.3行政データの共通化、手続きのデジタル化への挑戦

業界で注目を浴びるスタートアップの会社自体ではなく、今一番求めているポジション(急募求人)にフォーカスを当てて掘り下げていく本企画。
今回は番外編”デジタル庁の今”として4回に渡ってインタビューを実施。今注目を集めているデジタル庁準備室のお仕事について、実際にデジタル庁準備室で勤務しておられる皆様にお話を伺います。

3回目の今回は、デジタル庁準備室でシニアデータスペシャリストを担う長谷川さんに、仕事の詳細ややりがいをお聞きしました。

本記事の登場人物

内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室 シニアデータスペシャリスト※ 長谷川亮

同志社大学で数理統計を学んだ後、マーケティングリサーチ、Webメディア、リクルートなどの企業を経て2018年からメルカリグループにジョイン。スマホ決済サービス「メルペイ」のリリース前からデータアナリストとしてメルペイのデータ分析に携わる。2019年からデータマネジメントの重要性を訴えてチームを結成。メルペイおよびメルカリのデータマネジメントとデータガバナンスの推進を担う。

株式会社HERP 代表取締役CEO 庄田 一郎

京都大学法学部卒業後、リクルートに入社。SUUMOの営業を経て、リクルートホールディングスへ出向。エンジニア新卒採用に従事する。その後、エウレカに採用広報担当として入社し、同責任者に就任。2017年3月、HERPを創業。本記事ではインタビュアー、ちょこちょこ感想を挟む。

デジタル庁準備室について

デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを今後5年で一気呵成に作り上げることを目指し設立準備中。
徹底的な国民目線でのサービス創出やデータ資源の利活用、社会全体のDXの推進を通じ、全ての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会を実現すべく、取組を推進しています。

本記事で取り上げるデジタル庁準備室の求人
※デジタル庁(準備中)Webサイトに新規タブで遷移します

データエンジニア

ユーザーは最初から国民全員。ベースレジストリの整備で国民のユーザー体験を改善する


庄田:デジタル庁のお仕事について実際に働いている皆様にインタビューを行う本企画。第3回の今回は、デジタル庁にてデータ周りのプロダクトマネージャーを担当している長谷川さんにお話を伺います。長谷川さん、本日はよろしくお願いいたします!

長谷川:よろしくお願いします!

庄田:まずは今までのご経歴を教えていただけますか。

長谷川:学生時代は、同志社大学院にて数理統計を学んでいました。データサイエンスについて数学的な部分も含めて研究しているうちに、データを使ったビジネスに興味が出てきて、マーケティングリサーチの会社に就職しました。データの品質管理を行ったり複数社のデータを連携させて価値化するなど、今思うとデジタル庁での仕事につながる業務内容を担当していました。

その後ウェブメディアやリクルート等の企業を経て、2018年にメルカリに入社しました。当時はスマホ決済の黎明期で、メルカリもちょうどメルペイを始めるタイミングだったので、そこにデータアナリストとして関与することとなりました。

庄田:メルペイの立ち上げタイミングから携わってらっしゃったんですね!

長谷川:そうなんです。その後リリースしてしばらく経ってから、プロダクトの更なるグロースにはデータマネジメントが必要だと考え、データマネジメントチームを立ち上げました。

メルカリとメルペイのデータを円滑に使うにはどうすればよいか?データを安全に使うために何を守るべきか?データを簡単に使うにはどういうサポートが必要か?など、様々な課題を通してデータガバナンス全体の推進を担ってきました。

庄田: メルカリでのお仕事だけでもお忙しそうですが、どうしてデジタル庁に参画することになったのでしょうか?

長谷川:メルカリの自チームの採用活動のために、他社で似たような求人があると参考にしていたのですが、その中でたまたまデジタル庁のデータに関わる求人を見つけたんです。

それをきっかけにデジタル庁の思想や成したいことを理解し、これはぜひ実現すべきミッションだと共感したり、GaaS(ガバメント・アズ・ア・スタートアップ)という考え方に対してもワクワクを感じて、自分もチャレンジしてみたいと思い応募しました

庄田:最初は採用の参考にしようとしたのがきっかけだったんですね!

長谷川:そうなんです。デジタル庁の求人のいいところは自社に取り入れさせていただこうと思って見ていたのに、まさかその後自分が入庁することになるとは思いませんでした。笑

入庁してみて少し経ちましたが、ユーザーは最初から国民全員こんなスタートアップは他にないと思います
自分のスキルアップにもなりますし、自分がやってきたことを日本社会をより良くすることに繋げていけそうと感じていて、とてもやりがいがあります。

庄田: 現在はどのような業務を担当されているのでしょうか?

長谷川:自分はベースレジストリ*のプロジェクトにて、ベースレジストリを作るための基準を策定したり、実際に提供していくためのエンジニアリング・企画設計を担当しています。

例えば役所で書類を提出する際に「住所を書いてください」と言われることがありますが、そもそも届け出ているのだからすでにそのデータは持っているはずではと思いませんか?
こういった非効率な、ユーザー体験が悪い部分を解決していくためのプロジェクトです。

”ベースレジストリ…公的機関等で登録・公開され、様々な場面で参照される、人、法人、土地、建物、資格等の社会の基本データであり、正確性や最新性が確保された社会の基盤となるデータベース”

庄田:なんと…!いつもそう思っていました。笑

長谷川:そうですよね。笑
めんどくさいだけだったらまだしも、直近起きているのは、コロナの影響で事業者が休業をしていてもすぐにその保障を受けられないという問題です。

それはなぜ起きているかというと、データの所有が複数省庁にまたがってしまっていて、本当に申請者が本人かどうか?とか、この書類とこの書類の内容は一致しているか?などの確認に時間がかかってしまっているからなんです。

このままでは国民の便益に悪影響があるので、住所や事業所・事業所に対して与えられている営業許可証などだったりが全部つながっていて、各手続きに即時対応できる状態にしていこうとしています。

庄田:かなり根幹を担われているんですね。改めてメルカリでの業務だけでもお忙しいのに…と心配になってきていますが、デジタル庁にはどれくらいの比率でコミットしているのでしょうか?

長谷川:週3の非常勤での採用なので基本は週3デジタル庁での仕事に使っています。でもその内訳は、週5日間の午前中と、金曜日は午後も働くことで週3日に合わせるというフレキシブルな形で働いています。午後にデジタル庁のミーティングがある日は稼働自体も午前と午後を入れ替えたりもするくらい、柔軟な働き方をさせてもらっています。

庄田:そんなにフレキシブルだとは驚きました!現在同じチームにはどれくらいの人数所属しているのでしょうか?

長谷川:人数は20名くらいの官民合同チームです。今のところ私を入れて2名が民間からの非常勤で、そのほかは週5で勤務しています。

庄田:官民混ざってのお仕事は初めてですよね。慣れてきましたか?

長谷川:初めてですが、チーム外との重要な調整は参事官が動いてくれていますし、民間からのフルタイム出向メンバーも経歴が長く心強い方々なので、自分の業務に専念することができています。

ベースレジストリは日本にとって初めて取り入れるものなので、誰かから指示があるというよりはみんなで0から作っています。それに対して各省庁も協力してくれることも働きやすさのひとつですね。むしろ「ベースレジストリにこういったことも加えたいが可能か?」など建設的な要望をいただいていて、ありがたいです。

アジャイルにレガシーな環境を変革していくデジタル庁の仕事


庄田:ベースレジストリのプロジェクトによってすごく便利な世の中になりそうだと期待膨らんでいるのですが、一大プロジェクトですし、リリースできるのはまだまだ先になりそうなのでしょうか?

長谷川:いえいえ、少しずつリリースしていけそうですよ!
これまでの官公庁のリリースは完成版を一気に出すやり方でしたが、デジタル庁ではアジャイルにやろうという考えが強いので、ベースレジストリもできるところから進めていこうとしています
今年から来年にかけて、プロトタイプの運用が始まります。その中から公開可能なものを順次公開していく予定です。

庄田:なんと!想像していたよりずっと早かったです。とても楽しみですね。更にこれからの成功確度を高める上で、どんなことが重要だと思っていますか?

長谷川:まずは人材の確保ですね。やるべきことは山ほどあるのにリソースが圧倒的に足りていません。

リソースを確保するためには民間人材含めて採用していく必要がありますが、彼らにとってデジタル庁含めた省庁が働きやすいかというと、今はまだ民間企業のほうが働きやすい状態だと思っています。それでは国民のために大きな挑戦がしたいというパッションのみに頼ることになり、母集団が限定されてしまうので、まずは働きやすさの整備をしながら、並行して仲間を増やすための発信もしていかなければならないと思っています

庄田:民間企業と省庁の働きやすさの違いは、具体的にはどのような部分なのでしょうか?

長谷川:当たり前ですがセキュリティ基準が厳しいので、仕事に必要なツールの使用に時間がかかってしまったりしています。これは本来利便性とのバランスを見て調整していく必要がありますが、管轄部署もリソース不足なのでなかなか整備が進んでいません。
優先度高く改善が必要な部分ですね。

庄田: なるほど。とっても人手不足とのことですが、これからどのような方々にデジタル庁に参画して欲しいと思いますか?

長谷川デジタル庁は、行政というレガシーな環境を変革できる100年に一度のチャンスだと心から思いますそのチャンスに携わって、日本の現状を変えたいと思うようなパッションのある方に来ていただきたいと思いますね。 また、対象カスタマーは全国民、調整範囲は全省庁という壮大なスケールに挑戦したいというチャレンジ精神のある方にとっても、またとない環境だと思います。人に任せていては何も進まない。自分がやるのだという意識を持ってぜひ応募して欲しいなと思っています。

庄田: エントリするにあたって非常勤という雇用形態は各種保険などの条件も気になるポイントかと思いますが、その点も整備されているのでしょうか?

長谷川:応募する方にとっては各種保険・年金だったりの制度面については気になると思います。それは組織として説明責任を果たしていきたいと思っています。また、ポジションによっては今後フルタイム・常勤でも働ける環境も整えていこうとしています。

庄田:なるほど。今回募集するデータエンジニアとして求めるスキル・経験はありますか?

長谷川:データ品質に対してスキル・経験のある方に来ていただけたら嬉しいなと思います。

例えば住所を届け出たのにデータとして取り込めないという問題においては、マンション名の有無等の表記揺れ問題を、どう認識してどう計測して正しいジャッジに繋げるかの検討が必要です。そういうことを考えて企画としてまとめたり、各所に散らばっているデータをうまくつなぎ合わせてデータの連携基盤を作ったり、その整備をやったことのある人を歓迎したいです。 実際の業務は、ベースレジストリについての考え方の企画・設計を我々が担当し、ベンダーさんにお伝えして一緒につくっていくことになります。

庄田:業務において、省庁ならではの難しさはありますか?

長谷川:ありますね。例えばデータを最初に入力するのは国民ですが、全員スマホで入力してください!としてしまうと、スマホを使ってない人は困ってしまいます。全国民誰1人取り残さないと決めているので、その前提でオペレーションを設計するのは省庁ならではのやりがいと難しさがあると思いますね

庄田:逆に省庁ならではの面白さもありますか?

長谷川:たくさんありますよ!一つは、EU・欧米など海外のベースレジストリの事例をベースに最先端の戦略を組めることです。海外のほうが進んでいるため、各国の情報についてCIO補佐官がまとめてくれています。結果として、先人たちが検討した部分は真似させてもらった上で、日本にとってあるべき最新の戦略を設計することができています。

また、既存ルールの中で戦うのが民間企業ですが、ルールをつくっていくところに携われるというのは民間企業だと経験しづらい面白さだと思います
デジタル庁という組織は新しい意見を取り入れようという文化ができてきているので、民間非常勤に対しても、省庁での業務についてどんどん意見を言って欲しいと言われているんです。そんな環境でルールメイキングから携われるのはなかなかないと思うので、ぜひたくさんの方にご応募いただきたいです。

庄田: ありがとうございます。お話を聞いていて、私まで挑戦したくなってきました。笑

長谷川:国民の未来を担うデータエンジニアリングに携わりたい方は、ぜひご応募いただけたらと思います。長谷川さん、本日はお話ありがとうございました!

庄田:こちらこそ、ありがとうございました!たくさんのご応募、お待ちしております。

筆者の感想


今回はデータエンジニアリングという観点からデジタル庁の挑戦を支える長谷川さんにお話をお伺いしました。ベンチャー企業の代表ともいえるようなメルカリで勤務をされながら、全く環境の違うデジタル庁準備室にてカルチャーのギャップを感じながらもその状況をある意味楽しみながら価値を作っていくことに全力集中されておられる様子が全てのお話から感じられ、我々が日々行っている行政関連の手続きもいつか大きく変わるんだと、今から実感することができたインタビューでした。

データを整えるというお仕事ではなく、ルールメイキングをする仕事だとおっしゃられていた点も非常に興味深く、データ活用をここまで意味のある形で価値に変えられる仕事も多くはないのではないかと思います。これまでの経験を日本全体にとって意味のある形、価値のあるものに変えるチャレンジが確実にできると思いますので、興味のある方は一度求人票をチェックしていただきたいです。

※所属部署・役職は2021年7月当時のものです


本記事で取り上げたデジタル庁準備室の求人
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