
投稿日:
更新日:
カジュアル面談とは、選考を前提とせず、リラックスした雰囲気で企業と候補者が相互理解を深めるために行う面談です。
一方で、実際にカジュアル面談を行う中で、
「自社の魅力をうまく伝えられているかわからない」
「カジュアル面談から、なかなか選考につながらない」
といった悩みを抱える人事・採用担当者や現場の面接官も少なくありません。
本記事では、人事キャリア14年のMαiさんお迎えし、「採用成果(内定承諾)」から逆算したカジュアル面談の極意を凝縮してお届けします。
※本記事はHERP公式YouTubeの対談動画の要点をまとめたダイジェストです。
「テキストで手早く要点を掴みたい」という方はこのまま記事を、「移動中や作業中に音声で流し聞きしたい」「対談のリアルな熱量を感じたい」という方は、ぜひYouTube動画をご活用ください。
▶︎スピーカー紹介

【ゲスト】Mαi / 人事コンサルタント
人事キャリア13〜14年。
企業人事と人事コンサルタントの両面を経験。
直近では100人規模の企業にて「1人目のリクルーター」として、中途ダイレクトリクルーティングの立ち上げを一から主導。
現場の泥臭い検証と改善を自ら手掛けてきた。

【聞き手】Age / 株式会社HERP
当社YouTubeの進行役として、採用当事者の「生の声」を発信中。

Age: まずはじめに、カジュアル面談にはどのような目的があるのでしょうか?

Mαi: カジュアル面談は、文字情報では伝えられない会社の魅力を伝え、候補者の方に「選考に進みたいかどうか」の判断材料をお渡しする場だと考えています。同時に、相互理解を深めることで、入社後の理解の齟齬を防ぐことができます。

Age: カジュアル面談にあたっては、どういった準備をされていますか?

Mαi: 私は直前に職務経歴書を拝見する程度で、資料そのものを作り込むということはあまりしません。それよりも、候補者ごとに柔軟に調整することが大切なので、実際にお会いしてから「どれくらい会社のことをご存知か」を探るようにしています。
たとえば、「似たような会社をすでに見ています」という方に、一から用語の説明をしてしまうとかえって鬱陶しく感じさせてしまうこともあります。そのため、状況を少しずつお伺いしながら、お話しする内容を調整していくイメージです。

Age: 最初は会社説明から入るのが一般的でしょうか?

Mαi: そうですね。基本的には、軽くアイスブレイクをしたあと、「何でも聞いてください」とお伝えします。
ただ、こちらが何も説明しない状態では質問も出てきにくいものです。ですので、まず会社説明をしながら「この用語はお聞きになったことがありますか」「うちはこういうことをやっているのですが、何かで見たことはありますか」というように、キャッチボール形式で話を進めていきます。
新卒採用の会社説明会とは違い、大勢に一斉に説明するわけではないので、候補者の方の理解度に合わせて柔軟に内容を変えるべきだと思っています。
候補者の方が業界への理解度であったり、逆に同業界でも同じ言葉が違う内容を指していたり、業種によって業務の進め方が異なっていたりするので、その方の目線に立ってお話しすることを心がけています。
その上で、現職との違いや、「あなたの場合はこういうキャリアが描けます」というところまでお伝えして、はじめて会社説明と言えると思っています。

Age: カジュアル面談の段階では、転職意欲がそれほど高くない方もいらっしゃいますよね?

Mαi:そうですね。私の場合は最初に、「今の転職活動の温度感はどれくらいですか」と単刀直入に聞いてしまいます。
もし転職意欲がそこまで高くなくて、「今どこも受けていない」「話を聞いているだけ」という段階であれば、カジュアル面談のあとに選考へ進まない可能性もあるので、無理に選考に進めようとすることはありません。
ただ、その中で興味が湧いて転職活動を始めてくれる可能性もあるので、どこに関心を持たれるかを確認しながらお話を進めます。
すでに転職活動が進んでいて、他の会社などで内定が出ているような方であれば、キャリアや年収などより深ぼった質問を通して、「うちの場合はこうです」とお伝えするようにしています。

Age: 求職者の方の本音を引き出すために意識されていることはありますか?

Mαi: 意識しているのは、面接という選考の場ではなかなか語られない「本音」を、カジュアル面談だからこそ引き出すということです。
面接では「キャリアアップのため」などポジティブな転職理由を話しがちですが、実際の理由で多いのは、人間関係や残業時間といったネガティブなものだったりします。ただ、選考に関わる面接の場ではそれを言い出しにくく、ポジティブな言葉で濁されてしまうことも少なくありません。
その点、カジュアル面談は選考と関係がないからこそ、求職者の方も本音を話しやすくなります。
私自身が和やかに話すタイプで、人見知りをしない性格というのもありますが、相手の話をよく聞いたうえで、自分視点の話や具体例を交えながら質問することで本音を引き出せることが多いです。
たとえば、残業時間が60時間だと聞いても、それを多いと感じるか、普通・少ないと感じるかは人によっても、またこれまでの環境によっても変わってきます。
それを辛いと感じている方が「キャリアアップのため」という転職理由を挙げている場合、実は言葉にされていない本音が隠れているかもしれません。そういうときは、「私だったらこういう場合はこう感じると思うのですが、〇〇さんの場合はいかがですか」と聞いてみます。
こうして引き出した本音は、選考の合否判断に使うのではなく、選考が進んでオファーを出す段階で承諾していただくための、いわば"アトラクト"の材料として活用したいと考えています。

Age: とてもよくわかります。
転職の軸や志望動機は、選考の場ではどうしても前向きな理由として語らなければならないという心理が求職者側に働きますよね。
一方でカジュアル面談の場では、現職へのネガティブな本音も含めて話せます。それを最初に人事の方と共有しておくことで、現職に足りていない部分もきちんと伝わりますし、ご自身の理想に向けた良いステップにもなりますよね。

Mαi: まさにそこは期待しているところです。
実際に私が担当したカジュアル面談であった例なのですが、現職が激務で、かつ3人目のお子さんが生まれる予定のある方がいました。ご家庭の事情として、奥様の体調や育児の負担が限界に近づいていて転職を考えている、というケースです。
こうした方にとっては、年収よりもテレワークやフレックスタイムなど、柔軟な働き方ができるかどうかのほうが重要だったりします。
ただ、こうした事情を面接の場で聞き出せるかというと、なかなかそうはいきません。そこで、カジュアル面談の場を活用します。
「実は現職がかなりきつくて、辞めたいと思っているんです」という候補者の方の本音を聞き出すことで、結果的に入社後の齟齬も生まれにくくなると思います。

Age: カジュアル面談に参加してもらった後のネクストアクションについて教えて下さい。

Mαi: 双方が「次に進みたい」と思える状態であれば、できればその場で選考も進めたいと考えます。
「よろしければ、このまま簡単にいくつか質問させていただいて、次の選考にご案内したいのですが」と率直にお伝えして、先方が同意してくだされば、面談の後半をヒアリングの時間にあてて一次面接を兼ねてしまうこともあります。
逆に「今ではない」という方をそれ以上追いかけても仕方がないので、無理に引き止めることはしません。
「異動したばかり」「メンバーが入ったばかり」「誰かが辞めるタイミング」など、皆さんそれぞれ今は動けない事情があるものです。そこで、「では半年後にまたご連絡しますね」とお伝えして、いったん選考は終了とします。
今はATS(採用管理システム)にリマインド機能があるものが多いので、「半年後に〇〇さんへメールを送る」というタスクを自分で設定しておき、実際に改めてご様子を伺うメールを送ることもあります。

Age:たしかにATSでは、「カジュアル面談」というステップで止まっている方を検索することもできるので、一度面談したことのある方は母集団候補として再アプローチができる場になりますね。

Age: 人事の採用担当の方だけでなく、現場の方にカジュアル面談の段階から担当してもらうということはありましたか?

Mαi: 私の前職では現場がとても忙しかったので、ほとんどは私が担当していました。
ただ、経験者の方で私では説明しきれない方——同業界のため業務内容をすでによく理解されている方や、ハイレイヤーの方の場合は、現場の責任者に同席してもらうこともありました。
たとえば、競合他社出身で経験のある方には会社説明はほとんど必要ないので、そうなると技術的な話や会社独自の強みといった話が中心になり、現場の詳細までは知らない私では他社と比較した詳しい話ができません。そういう場合はやはり現場に出てもらったほうが良いので、求職者に合わせて誰をアサインするか調整していました。
実際に私が一人で面談に出た際に、「人事の方だとわからないと思うのですが、この点はどうなんですか」と答えられない質問をいただいてしまったことがありました。時間をいただいている以上は、候補者の方が求めている情報を最大限提供したいと考えています。そのためには、誰が面談に参加するべきかも、個別に調整していくことが大事だと感じました。

Age: 改めて、採用成果につなげるカジュアル面談において、一番大事なことは何ですか?

Mαi: 単にカジュアル面談から選考に進めることだけを目的にするのではなく、最後にオファーを出す段階でのアトラクトまでイメージしながら話を聞くことが大切だと思っています。
カジュアル面談だからこそ引き出せる本音があり、その本音が最後の内定承諾を大きく左右することもあるからです。
ある程度数をこなしていくと、「この方は内定まで進みそうだ」という感覚がわかるようになってくるので、そういう方をいかに逃さないかが重要です。最後までのプロセスをイメージして動くことを心がけています。
面談を重ねていくと、おそらく面接では引き出せなかったであろう本音を話してもらえることがあります。その中で次の選考に対して前向きな言葉が返ってくると、「本音を聞き出しつつ先方の満足度も得られたのだ」と感じて嬉しくなります。
そこで得た情報を、最後の選考ステップであるオファー面談の場で、私自身あるいは面談を担当する部門長がうまく活用してくれて、無事に承諾していただけたときは、やってよかったと心から思います。

Age: 初対面の方から本音を引き出すのが得意ではない、という方に向けて、アドバイスをあれば教えてください。

Mαi: 最終的には数をこなす必要があると思いますが、あくまで会社の代表として対応しているのであって、ご自身の個人的な人間性が問われているわけではありません。うまくいかないと感じるときは、意識が自分自身に向きすぎていることが多いように思います。
少し俯瞰して状況を見るようにしたり、身近にいる話し上手な方の話し方を意識的に取り入れてみたりして、普段の自分とは少し違う「仮面」をかぶるくらいの意識でやってみると、だんだん使い分けられるようになってくると思います。
今回はMαiさんをお迎えし、採用成果につながるカジュアル面談について、その目的や面談での本音の引き出し方、現場巻き込み方について語っていただきました。
動画では、より詳しい解説と、Mαiさんが体験した面白かったカジュアル面談についてもお話していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
また、『「スタートアップ採用立ち上げキット」カジュアル面談の考え方・進め方』内でもカジュアル面談の必要性および、具体的なトーク例・NGトークについて解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

編集:仙波 紗佳


株式会社UPSIDER
応募数10倍&年間50名採用。急拡大組織の成長痛に立ち向かうUPSIDERのHERP活用事例

キャディ株式会社
「組織拡大期でも採用基準は下げない」HERP Hireへの切替導入で“こだわり採用”を叶えたキャディの事例

株式会社Kyash
タイムラインでのやり取りの積み重ねを候補者のアトラクトに活用!HERP Hireが支える株式会社Kyashのスクラム採用

株式会社iCARE
「1年50名採用目標」を半年で達成。株式会社iCAREが既存カルチャーを生かしてスクラム採用体制を確立できた理由

弥生株式会社
ATSの乗り換えで分析の土台ができ、最適な採用活動ができるようになった弥生の導入事例

BASE株式会社
エンジニアはエンジニアの眼で見て採る!採用活動をプロダクトとして捉えるBASEの「スクラム採用」とは

ルームクリップ株式会社
全職種でワークサンプルを実施!候補者目線を考え尽くしたRoomClipの採用プロセスとは
デジタル人材採用を加速する採用管理システム HERP Hire

求人媒体からの応募情報の自動取り込み、Slack/Chatwork連携による現場メンバーへのスピーディな情報共有により、現場メンバーが積極的に採用に参画できる「スクラム採用」の実現をサポート。
デジタル人材採用を加速するタレントプールシステム HERP Nurture
複数の求人媒体からの応募情報の自動取り込み、SlackやChatworkとの連携による現場メンバーへのスピーディな情報共有。
一連の採用プロセスをAIが支援し、候補者一人ひとりと向き合う採用へ

書類選考・面接・評価など、一連の採用プロセスをAIが支援。
候補者との対話や意思決定により時間をかけられるようにします。